一般の方であれば、与信といった単語を耳や目にした事がある程度で、その意味までは詳しく理解していないのではないでしょうか。与信は3Cとも呼ばれ、以下の3つを意味するものです。
与信の3C
- Capacity(返済能力)
- Character(返済資質)
- Capital(返済担保)
具体的には、融資や信用取引などの融資に関する枠を供与することで、実は私達も社会生活を送る上で知らずのうちに利用しています。
例としては、ショッピング枠やキャッシング枠などのあるクレジットカードですが、これらの枠の設定がいわゆる「与信枠」とされるものです。
【参考記事】ファクタリングとは?【コレを読めば100%理解できる!】(保存版)
「与信」って言葉は、一般じゃあまり使わないよね。
金融用語だからね。与信の意味は取引相手に対して、どれだけの金銭的な信用を供与するのかということなんだ。
あまりピンとこないんだけど・・・
実は案外身近な存在でもあるのだけど、今回はファクタリングも含めて、与信に関しての話題を進めていこう。
なるべく分かりやすくお願いします。先輩 !
日本では一般的な与信取引
与信の文字を見ればお分かりのように、与信とは文字通り取引相手に対して、信用を与えるといった意味合いがあります。与信取引は、日本ではごく一般的に行われていますが、与信取引そのものは歴史もかなり古く、世界的な規模で行われているものです。なぜ古くから、この与信取引が行われているかと言えば、ビジネスでの取引が大きくなればなるほど、現金での取引が不便になるからです。
また、取引の度に、商品とまとまった現金を引き渡す現金取引も、規模が大きくなればなるほど手間がかかりすぎるからです。では、与信取引には、いったいどのようなものがあるのでしょうか。
与信取引の種類には、複数のタイプがみられますが、最終的には金銭換価での回収が、原則となっていることはどれも同じです。与信取引の代表的なタイプとしては、小切手や手形取引が挙げられます。
具体的に言えば代金が支払われる前に、商品やサービスを提供する取引ということになるわけです。このように、一般的には、信用取引が行われていますが、お互いの取引相手に対して信用を供与することが、この与信取引の基本となるものです。
信用取引には与信が欠かせないという認識でいいのかしら。
要するに信用リスクがどのくらいあるのかというのが、与信の本質と思っていいよ。
なるほどね。
カードやローンを組む時の審査も、この与信情報が大きな比重を占めるんだ。
ファクタリングで行う与信調査とは
与信調査とは、いわゆる信用調査の事で、ファクタリングの場合、利用者よりもファクタリング会社に、大きくリスクが上乗せされる為、詳しく調査を行うのが常です。
査定とは全くの別物で与信を厳しく行う理由は、売掛債権が倒産や支払い不能となり、不払いとなる可能性を調査しておかなければ、ファクタリング会社が大きな損失をこうむってしまうからです。
なぜなら、ほとんどのファクタリング会社では、償還請求権なしのノンリコースで契約が行われるからです。つまり、利用者側にはリスクはありませんが、逆に言えばファクタリング会社がすべてのリスクを背負うことになるというわけです。
【参考記事】ファクタリング会社へ資金を返済できない場合の対処法
その為、ほとんどのファクタリング会社では、金銭的な信用をどれだけ供与できるかを、さまざまな観点からチェックするのです。ここで気になるのが、2社間ファクタリングを利用する利用者のことです。
2社間ファクタリングは、外部に知られる事なく、ファクタリングを行えることで知られていますが、ファクタリング会社が与信調査に動くことで、秘密が漏れてしまうのではないかという危惧です。
しかし、ご安心ください。ファクタリング会社では、行政機関が所持している登記情報をもとに与信調査を行いますので、外部に秘密が漏れることはありません。
ファクタリング会社にとって、与信情報は大切な命綱にもなっているんだね。
うまいことを言うね。日本にはこうした与信情報を専門に扱う機関があって、様々な金融機関も与信調査に利用しているんだ。
専門の機関って、何か秘密機関みたいね。
実際に日本国内にどのような与信情報機関があるのか、次の項で紹介しておこう。
与信調査はだれに対して行うのか
ファクタリング会社が、与信調査に利用するのは、主に以下の3機関です。
ファクタリング会社が与信調査に利用する3つの機関
そこで気になるのが、「与信調査は依頼者の会社、あるいは売掛先の会社のどちらに対して行うのか?」ということでしょう。
実はファクタリングの場合、結んだ契約によって、ファクタリング会社がどちらの与信調査を行なうのか、その対象が異なってくるのです。基本的には、ファクタリングは 2社間か3社間ファクタリングで行われることになります。
2社間ファクタリングの場合は、基本的な流れとして、売掛債権をファクタリング会社がいったん買い取り、後日利用者が売掛金を回収の後、ファクタリング会社に入金することになります。つまり、2社間ファクタリングにおいては、与信調査の対象は、依頼側となるわけです。
かたや3社間ファクタリングの場合、三社間での契約となり、売掛債権の買取ができる状況かどうかを、売掛先企業に調査することで求めます。
ただし、同じ3社間ファクタリングでも、医療関連のファクタリングであれば、国の機関が相手となりますので、こうした手続きがほとんど不要ということになります。
どうして2社間ファクタリングの場合は、ファクタリング依頼者本人ではなく売掛先の会社になるの ?
それは売掛先企業から入金が行われることになるから、支払い能力があるかを確認する意味で与信情報が必要になるんだ。
わあっ ! そっか、少しややこしかったけど、ようく考えたらわかるね。
話しを与信情報に戻すけど、与信調査でどのような項目をチェックしているかをまとめてみたよ。
与信調査での主なチェックポイント
与信調査は、これまでの企業の実績を調べるということで、特に大きな傷がなければ、大勢に影響を与える事はありません。ただし、ファクタリング会社によっては、査定に影響を与えることもある為、健全な企業実績がある事に越したことはありません。
与信調査での主なチェックポイント
- 自己資本比率
- 利益額
- 利益率
- 余剰資金
- 借入件数
- 借り入れ返済実績
ファクタリング会社によって、異なる可能性もありますが、基本的にはこのような内容が、チェックポイントとなるという事を覚えておけばよいでしょう。
ここで特に注視されるのが、返済実績といった項目で、過去に返済が遅れた記録があれば、その分査定に大きく響くことは間違いありません。この与信調査の結果が良好であれば、確実性の高い売掛金の回収が見込めますので、その分査定の条件も良くなることが挙げられます。
具体的に言えば、買い取り額の上限が高くなりやすく、手数料も下限に近い条件になることは間違いありません。
このように、与信情報は非常に大切で、結果次第によっては大きく査定に反映されるということになります。ただし、ファクタリングのタイプによっては、対象が異なることを覚えておきましょう。
なるほど。こうした項目を調べるのね。でも、情報漏れの危険性なんかはないのかしら ?
100%とは言い切れないが、こうした情報機関は機密性の高い情報に関してのセキュリティーがずば抜けて高いと言われているね。
それだけ、重要性が高いということを意味しているのね。
会社にとって重要な要素である与信管理
与信は、ファクタリングにおいて大きく影響する項目ですが、通常の企業にとっても非常に重要なファクターとなります。なぜなら、企業の信頼度に直結する為、取引先の経営状態を把握することはリスク回避につながるからです。そこで注目されるのが「与信管理」といったものです。
与信管理とは、与信取引に対して不確定な要素、つまり、リスクを継続的に管理する事で、リスクの回避やリスクの低減を行うことができるものです。具体的には、取引先の与信情報を収集分析することによって、将来的な動向や予想を行い、これを分析管理することになります。
すなわち、取引相手の情報をつぶさに知ることによって、取引額を調整し、損失を抑えながら販売代金を回収できるよう管理していくわけです。このように、与信管理は、つぶさに相手方の情報を収集しながら、情報分析によるリスク回避が期待できるということです。
ファクタリング会社にとっても、この与信は重要な意味を持っている為、その後の査定に大きな影響を与えるということになります。企業にとって、この与信管理を行うことで、リスクの低い会社は取引を拡大し、リスクのある会社に対しては取引を小さくする事によって危険を回避するわけです。
与信情報の管理はファクタリング会社にとって、とても大切なことなのね。
ファクタリング会社のみならず、キャッシュカードを作る際にも利用されているから何も特別なものでもなんでもないんだ。
その場でカードが作れる会社は、そうした与信情報の管理がしっかりと行われているということかしら。
分かったかな ? だからこそ、スピーディな審査が可能になるんだ。
まとめ
与信情報がいかに重要なものなのか、お分かりいただけたでしょうか?ファクタリングにおいては、銀行や金融機関などの融資に比べて、審査がかなり緩いとされています。
しかし、与信情報の調査によって、売掛債権の買い取り上限額や手数料に反映されることから、これからファクタリングを利用される方は、与信情報に関しても知識をもつ必要があります。ファクタリング会社によっては、こうした与信情報をサービスとして行う会社もあるようです。
以上、ファクタリング会社で行われる与信調査・チェックポイントなどを徹底解説!…でした。
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