この記事でわかるポイント
- 次世代のファクタリング「クラウドファクタリング」について
- クラウドファクタリングとクラウドファンディングの違い
- 個人事業主にクラウドファクタリングがおすすめの理由
いよいよ、2020年度4月から施行される民法改正ですが、ファクタリング会社も活発で、新たに様々なサービスなども出現する勢いです。
【参考記事】【2020年最新版】民法改正後のファクタリングはどう変わる ?
そんな中、新たなファクタリングの先駆けともいえる「クラウドファクタリング」にも注目が集まっており、どのようなサービスなのか、早く知りたいといった方も多いのではないでしょうか。
そこで、次世代のファクタリングともいえる、クラウドファクタリングの現在を詳しく調査してみました。
目次
クラウドファクタリングとは
クラウドファクタリング ?
インターネットを活用したファクタリングだね。
えっと、今でもインターネットを利用した、ファクタリングは一般的じゃないの。
通常のインターネットではなく、インターネット上のサーバーを利用するものなんだ。今回は、新たなサービスとして注目を集めているクラウドファクタリングに着目して解説してみようと思う。
楽しみ ! よろしくお願いします、先輩。
まず、クラウドファクタリングを語る前に、クラウドについて簡単にご説明しましょう。直訳では雲の事を意味していますが、IT分野の世界では「クラウド・コンピューティング」の事を意味しています。
次に、クラウド・コンピューティングとは、インターネット上のネットワーク経由による、情報サービスの提供を意味する言葉です。もっと簡単に言えば、クラウドファクタリングとは、クラウドサービスによるファクタリングを行うということになります。
このクラウドサービスは、PCやスマートフォンなどインターネット環境が整っていれば、どなたでも利用する事のできるサービスです。
例えば、メールやMAPの検索およびカレンダーやスプレッドシート/LINEなど、私たちが日常的に利用しているサービスのほとんどはこのクラウドサービスと呼ばれているものです。
クラウド・コンピューティングの特徴は、データ管理や処理/ソフトの利用など、すべてインターネット上で行うことができるというところです。また、PCで例えるなら自宅で取り扱うソフトのようなマンツーマン作業ではなく、不特定多数の人物が同じサーバーを利用して相互のやり取りを行うことができます。
クラウドファクタリングは、こうしたクラウドサービスの一つであり、インターネット上でファクタリングを可能としたシステムのことです。多くのファクタリング会社では、インターネット上のホームページを持ち、申し込みや相談などもメールなどをインターネット上で使っていますが、そのほかの案件についてはアナログで行っています。
クラウドファクタリングの特徴は、すべてがインターネット上で完結できる仕組みであり、これまでにない新たなファクタリングの取り組みでもあります。
インターネットのオンラインゲームのようなものなのかしら?
システム自体はサーバーを利用した相互干渉という点ではかなり近いよね。
なるほど。意外と簡単なよね。
ところで、「クラウドファンディング」って聞いたことがあるかい ?
聞いたことはあるけど、同じものなの ?
同じクラウドサービスなんだけど名称は少し紛らわしいから、クラウドファンディングのことを少し説明しておこう。
クラウドファクタリングとクラウドファンディング
クラウドファクタリングを理解する前に、よく似た名称に「クラウドファンディング」というものがあります。
実に、紛らわしい名称と思われるかもしれませんが、両者は似て非なるもので、双方クラウドサービスの一つですが、全く質の異なるサービスを行っています。
そこで、あとあと混同しない為にも、クラウドファンディングとは何であるかを、簡単にご説明しておきましょう。クラウドファンディングは、クラウドファクタリングと同様に、インターネット上ですべてが完結するクラウドサービスの一つです。
クラウドファンディングには、実に様々なタイプのサービスがあり、一番よく知られているのが、テレビ番組で過去放映されていた「マネーの虎」の存在なのではないでしょうか。この番組の中では、投資家が審査員となり、一般から公募された起業希望者たちに対して出資を行うシステムでした。
起業希望者たちは立ち上げる事業計画のプレゼンテーションを行い、審査員たちに評価の良否が行われ、その結果に沿って出資の可否が行われるものです。
このシステムはクラウドファンディングにほぼ近いもので、起業希望者たちのアイデアや事業計画によって事業資金が得られるものです。こうしたクラウドファンディングは融資型のクラウドファンディングと呼ばれるものです。
実際のクラウドファンディングではインターネットを介した不特定多数の出資者たちの間で、こうしたやりとりが行われています。起業希望者たちはアイディア次第で事業資金を得る事ができ、投資を行う出資者たちは出資に応じて起業希望者からリターンと呼ばれる見返りを得る事ができます。
なるほど。サービスの違いという訳ね。
そうだね。「クラウドファクタリング」と「クラウドファンディング」は根本的に全く違うものだから、混同しないように注意しよう。そこで改めて、クラウドファクタリングの特徴を解説するよ。
クラウドファクタリングの特徴を知ろう
クラウドファクタリングは、ファクタリングのすべてが、インターネット上ですべて完結するといった、利便性この上ないシステムがその最大の特徴となっています。たったそれだけ ?と思われるかもしれませんが、スピードを生かしたファクタリングの手法は、利用者側にとっても大きなメリットであることは間違いありません。
では、クラウドファクタリングがどのように優れているのか、従来の一般的なファクタリングと比べてみましょう。一般的に行われているファクタリングでも窓口がインターネットでも行えることはクラウドファクタリングでもさほど変わりません。
しかし、通常のファクタリングではあくまでもインターネットは入り口であり、そのほかの手段はアナログが基本となっています。例えば、面接や面談、紙の契約書などが必要であり、すべてをインターネットで完結できるわけではありません。
クラウドファクタリングの場合、契約書などもデジタルであり、必要書類なども画像データによって送付することが可能です。また、審査の為の面談や面接も必要もなく、ファクタリング会社の担当者と顔を合わせるといったことはほぼありません。
大手のファクタリング会社などでは、各都市の要所に支店を持ち、全国対応を行うといったところもありますが、クラウドファクタリングはすべてインターネットで行われますので、支援などを必要としないわけです。
今現在、広く行われているインターネット事業のように特定の店舗を必要とせず、人件費を含めてあらゆるコストカットが可能ですので、手数料も低く抑えられるというのもクラウドファクタリングの特徴です。
なるほど。システムの利点はネットショップと同じものなのね。
大幅なコストダウンが可能になるから、メリットは大きいね。
そこでさらに分かりやすく理解していく為にも、クラウドファクタリングのメリットをまとめておくよ。
クラウドファクタリングのメリット
クラウドファクタリングのメリットは、何と言ってもインターネットで、資金調達がすべて完結できるところにあります。
都心など、都会に住んでいる方は、不便さを感じるという事はほとんどありませんが、地方にお住まいの経営者や個人事業主などは、これまでファクタリングを利用しようと思っていてもいくつかの難問を抱えていました。
大手のファクタリング会社はもちろんのこと、ほとんどのファクタリング会社は、全国対応と言いつつも、出張手数料を請求するのは当たり前で、小口のファクタリングなどはほとんど対応していませんでした。
当然、ファクタリング会社は、売掛債権の額面が大きければ大きいほど、会社の実績や利益が増すといった構図があり、ファクタリングの対象者が法人限定であったり、年商の額を一律以上などと定めていました。その為、中小企業を始めとする零細企業や個人事業主などは、こうしたファクタリング会社にあまり相手にされていなかったといった現状があったのです。
しかし、クラウドファクタリングによるコストダウンにより、少額のファクタリングでも利益が出ることが分かり、全国どこででも対応できることから、今までの間口がより一層広くなりました。
もちろん、地方の会社や個人事業主などにとって、クラウドファクタリングの存在は朗報ともいえるもので、ファクタリング会社にわざわざ出向く必要もない為、スケジュール的にも金銭的にも、かなりのメリットとなります。
しかも、これまでのファクタリングと同様の恩恵があり、面談や審査で出向く必要がない為に、今まで以上にスピードアップできます。さらに、手数料も低く抑えられる事は、かなり魅力的と言えるのではないでしょうか。
スピードアップはファクタリングの強力な武器よね。
ファクタリングそのものは、ほかの資金調達方法と比べても早いんだけど、さらに加速させることは間違いないね。
具体的には、どういった流れでファクタリングが行われるの ?
では、クラウドファクタリングを利用するときの大まかな流れを説明しておこう。
クラウドファクタリング利用の手順
クラウドファクタリング利用の手順ですが、基本的にはシステムそのものがファクタリングと同様ですので、緊張して入力ミスがない限り、順序よく手順を踏むことで、申し込みは大変楽に行うことができます。
ただ、必要な書類や本人確認などがありますので、この手順に沿ってあらかじめ準備しておくとよいでしょう。クラウドファクタリング利用の手順は次の通りです。
クラウドファクタリング利用時の手順
- 該当のファクタリング会社のホームページにアクセスし、アカウントの作成を行う
- 返信メールでユーザー情報の登録及び、ご本人様確認を行う
- 本登録 →運転免許証かパスポートの画像データの送付
なお、本登録の運転免許証は表裏両方で、パスポートの場合は顔写真ページと住所記入ページが必要です。また、書類などの対応可能な画像データはPDF/JPEG/PNG/Excel/CSVとなります。
アカウント及びマイページの作成が済めば、いつでもファクタリングの申し込みが可能となります。
まずは必要書類の準備として、以下の書類の画像データが必要となります。
クラウドファクタリング利用時の必要書類
- 代表者の本人確認として運転免許証がパスポートのコピー
- 直近数カ月分の入出金明細が記された通帳のコピー → ネットバンキングなら出力ファイル
- 貸借対照表と損益計算書及び、勘定科目明細を含む直近1期分の決算書
- 売掛金が確定している入金期日前の請求書
なお、任意資料として、基本契約書/注文書/検収書などがあれば、審査が通りやすくなります。必要書類が準備できたら、早速ファクタリングの申し込みとなります。
手順は、申し込みの順序通りアップロードしていくだけで、すべてが完了となります。
その後、審査が開始され、特に問題がないと見なされたら、最短で1営業日後、審査結果の報告がメールされ、買い取り可能であれば契約条件などが提示されます。
うああ、画像データはってことは、写メでOKって事 ?
基本的には、スマートフォンでも大丈夫だよ。
便利だね。スピードアップって意味がよくわかるわ。
クラウドファクタリングでスピーディな取引
2020年度の民法改正につき、ファクタリング会社も随分と増えてきましたが、クラウドファクタリングをサービスとして提供するファクタリング会社は、まだまだ数が少ないのが現状です。
しかし、今後債権の自由化が、ある程度進んでくる為、これまで以上にファクタリング業界が、活気を増すこと間違いありません。そんな中で、当然クラウドファクタリングサービスも、増えてくることが考えられます。
クラウドファクタリングは通常の2社間ファクタリングで手数料10%から30%のところ、クラウドファクタリングであれば手数料10%以下で利用できるというのもかなりの魅力です。しかも、スピーディな取引が見込めることから、2回以降の取引についても、審査がかなり楽になり、更なるサービスが見込めます。これは、従来の資金調達方法であった、融資やローンと比べてみても段違いの速さで、会社の資産を売る事になりますので、借入金とはならないのも大きなメリットです。
つまり、帳簿上の仕訳の勘定科目では負債にならない為、バランスシートの正常化やキャッシュフローの健全化に役立つことになります。インターネット環境さえあれば国内のどこででもファクタリングが利用でき、個人事業主であっても気軽に利用できるので安心して利用することができます。
また、パソコンが苦手な方でも電話によるサポートを受けることができますので、初心者の方でも安心してファクタリングサービスを行えます。
まだまだ全国的にも認知度は低く、クラウドファクタリングが行える会社も少ないですが、近い将来主流となってくることは間違いありません。注意点として3社間ファクタリングの場合、売掛先企業の承認が必要となります。
【参考記事】2社間と3社間ファクタリングの違い〜特に支払いサイクルや手数料の違いなど
現代のビジネスにおいて、スピード感は非常に重要なファクターになるんだ。
その点、クラウドファクタリングはかなり優れているのね。
かなりのコストダウンが見込めるからファクタリング会社にとっても利用者にとっても、双方に大きなメリットになるのは間違いないね。
まとめ
次世代のファクタリングと呼ばれるクラウドファクタリングは、地方の会社経営者や個人事業主でも自由なファクタリングが行えることがわかりました。
これまで手数料が高くてなかなかファクタリングを行えなかった方にとっても、いよいよ現実味が増してきたことがお分かりいただけるでしょう。
以上、2020年度最新版 ! 個人事業主におススメのクラウドファクタリング…でした。
\ メリット盛り沢山 /