この記事でわかるポイント
- ファクタリングを利用するメリットはここにある
- ファクタリングを国が推奨するわけがよくわかる
- ファクタリングは利便性の高い資金調達方法だった
ファクタリングそのものは、以前よりあったものですが、最近このファクタリングが見直されていることを存じでしょうか。現在、世界中の国々の中で、新型コロナウイルスの影響を受けてない企業はほとんどありません。
一部の企業を除き、多くの会社は新型コロナウイルスの影響を受け、大きくダメージを受けています。ファクタリングは、果たしてこうした企業の救いの手となっているのでしょうか。
最近学生時代の友人から、自宅から頻繁に連絡があるだけど、仕事辞めちゃったかと思ったら在宅勤務なんだって。
新型コロナウイルスの影響で、働き方そのものが変わりつつあるね。
パソコンのスキルも、必須になるわ。
その通りなんだけど、働く人というよりも、企業の在り方の変革時期に来ているともいえるよ。
会社ありきだものね。
資金調達の方法も、見直しを迫られ、ファクタリングが大いに注目を集めているんだ。
なるほど。
そこで今回は、法改正によって、利用しやすくなったファクタリングを、改めて検証してみようと思う。
それでは復習も兼ねて、勉強させてもらいますね、先輩。
目次
経済産業省がファクタリングを推奨するわけ
経済のことを知られてる際に、比較的よく目にするのが、ファクタリングを経済産業省が推奨しているというニュースがね。
確かに、数年前からコラムなんかで、よく見かけるようになったわね。
でもなぜ、国がファクタリングを推奨しているのかしら。
じゃこの項では、なぜ国がファクタリングも推奨しているのか、その背景と理由について詳しく解説してみよう。
よろしくお願いします。
ご存じの方もいらっしゃいますが、ファクタリングは、債権の売却によって自己資金を得るという方法です。経済産業省が、ファクタリングを推奨する第一の理由は、資金調達の手段を増やすことにあります。
多くの会社では、資金調達の方法として、銀行や信用金庫などの金融機関から、融資を受けるといった手段で資金を調達してきました。融資は、会社にとって借入金にあたるもので、あまりにも借入金が浮いてしまうと、支払いの負担も大きくなってきます。
また、そうした借入金が多ければ、銀行などの金融機関も審査に厳しくなり、融資が下りなくなってしまいます。ご存じのとおりファクタリングは、売掛金を債権として、この債権を売却することにより資金を得る方法です。売掛金は、本来会社の売り上げとなるもので、公的には会社の資産にあたるものです。
つまり、ファクタリングの場合、借入金とはなりませんので、会社の負債が減ることはありません。こうした資金入手の方法は、コロナ渦の今、大きく注目を集めています。
企業間での取引きは、基本的にどの会社でも、信用取引きによって行うのが常です。どの会社でも、自社の製品やサービスを提供し、代わりに代金としてお金を支払ってもらいます。
しかし、会社間取引きの場合、すべてを現金取引きにするのは都合が悪く、1カ月や2カ月などの間をおいて支払いを行います。これは、いわゆる支払いサイトと呼ばれるもので、業種や職種によっても支払いサイトの長さは異なります。
そこで会社の仕組みを改めてみると、どの会社でも仕入れ・製品づくり・納品・販売といった図式は共通のものです。
しかし、それぞれの会社が異なり、それぞれに売掛金が存在することで、どの会社も売掛金の支払いが遅れれば、それだけ上位の会社にリスクを負わせることになります。
どの企業も、会社の資産が豊富であれば、たとえ支払いが遅れたとしても、待つことは可能です。しかし、現在のコロナ渦の中、多くの会社は売り上げの減少により、支払いに困窮していることが現状です。
このように、国がファクタリングを推奨するわけは、資金不足に困窮する現状を打破する手段として、利用することができるからです。
また前述のとおり、ファクタリングは会社の負債ではありませんので、融資と併用して利用できるのも大きな強みです。ファクタリングであれば、貸し渋りのことを考えずに済みます。
また、融資を受けるにしても、審査から融資実行まで時間がかかりますが、ファクタリングの場合は、即日または数日の審査で資金を入手できるのも、大きな強みと言えるでしょう。
なるほど、確かにファクタリングは、短期間で資金調達が可能よね。
時は金なりと言うけど極端な話し、支払いができなければ倒産するんだから、ファクタリングの魅力は測り知れないね。
そう考えると、ファクタリングの存在は、今の世の中ものすごく貴重だよね。
持っている債権を、すぐに売却できるから、資金繰りも困らないで済むわ。
そうだね。でも、売掛債権を利用した資金調達方法は、ほかにもあるんだ。
そうなの ?
そこで次の項で、ファクタリングによく似ている、流動資産担保融資保証制度のことを解説してみよう。
ファクタリングによく似た流動資産担保融資保証制度とは
ファクタリングは、会社間取引きで発生する売掛金を、債権として売却するものと認知されている方は、意外に多いのではないでしょうか。厳密に言えば、売掛債権の売却ではなく、ファクタリングは売掛金の前借り的な意味合いが強いものです。
というのも、発生している売掛債権に対して、ファクタリング会社に債権を譲渡し、その価値にあった入金を受け、その後相手の会社からの入金後に、ファクタリング会社へ返済する必要があるからです。
構図としては、売掛金の前借りであり、ファクタリングは売掛債権の譲渡による、前借りといった形をとっています。これによく似た仕組みが、流動資産担保融資保証制度と呼ばれるものです。
では、その流動資産担保融資保証制度について、分かりやすくご説明しておきましょう。流動資産担保融資保証制度は、2007年に中小企業信用保険法改正に伴い新たに創設された制度です。
略して、ABL保証とされ、それまでにあった、売掛債権担保融資保証制度が拡充され、新たな保証制度として見直されました。流動資産担保融資保証制度は、流動資産として認知される売掛債権や棚卸し資産に対して、これを担保として融資を行うものです。
保証制度の名称は、こうした流動資産担保融資保証制度の融資の際に、信用保証協会が保証を行うことから来たものです。売掛債権を利用した資金調達方法には、ファクタリング以外にも、流動資産担保融資保証制度があるということです。
このように利用者は、売掛債権を利用して資金調達を行いますが、両者には大きく異なる点がいくつか見られます。まず、根本的に異なるのは、ファクタリング売掛債権の譲渡及び売却にあたるのに対して、ABL保証の場合は、売掛債権を担保として融資を受けるところです。
実はファクタリングと同様、経済産業省は、この流動資産担保融資保証制度を推奨しています。
通常、金融機関で行われる融資では、審査の際に最も重視しているのが、信用格付けというものです。簡単に言えば、会社が健全な経営を行っているかが重視され、赤字決算や負債が多いなどといった会社は、簡単に融資が下りることはありません。
しかし、流動資産担保融資保証制度の場合、高い確率で入金が想定される売掛金を担保とし、回収を確実なものとしています。
また、利用者が万が一、返済できなくとも、信用保証協会が保証してくれますので、リスクを抑えることができるメリットがあります。返済できなかった場合、信用保証協会が金融機関に対して、貸付残高の9割を代位弁済します。また、金融機関及び信用保証協会は、同時に売掛債権から焦げ付きによる回収を行うわけです。
このように、通常融資よりも借り入れが行いやすく、ファクタリングと同様に注目を集めている資金調達方法です。ただし、3者間ファクタリングと同様に、取引き先企業の承認を得る必要があります。
もともと、流動資産担保融資保証制度のもととなっていたのが、売掛債権担保融資保証制度だったんだ。
それで、ファクタリングと間違えられやすかったのね。
ファクタリングを、よく理解している人なら間違えることはないけど、売掛債権を使って資金調達ができると聞くと、確かに紛らわしいよね。
ですよね。でも根本的に違うみたいね。
基本的には、ABL保証は融資にあたるものだから、システムそのものが違うね。
でも、中小企業にとって、融資が受けやすいというのはかなり助かることよね。
銀行融資に比べて、短期間での資金調達が可能になるから、倒産の危機もこれで回避できるよ。
それが大事。
だからこそ、国もこうした制度を、どんどんと利用してほしいんだよ。
次の項では、改めてファクタリングを、利用する上でのメリットを解説してみよう。
よろしくお願いします。
ファクタリングを利用する上でのメリットとは
ファクタリングというひとくくりでは、どうしてもメリットをいっしょくたにすることはできません。なぜなら、ファクタリングには大きく分けて、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングがあるからです。
もちろん、ともにファクタリングという共通項があり、売掛債権による資金調達方法であることは同じです。ファクタリングそのものは、2000年以前もありましたが、日本ではあまり利用されることはありませんでした。
ファクタリングが利用されなかった背景には、長く日本経済界で利用されていた手形や小切手の存在があったからです。ご存じの方もいらっしゃるように、手形取引きは代金支払いの約束を取り交わすもので、特定の日に現金を渡す約束を取り交わすものです。
現在も、電子債権といった形で流通していますが、資金調達が比較的簡単なファクタリングの方が、利便性が高いといった考え方もあります。
では、ファクタリングに、どのようなメリットがあるのか、2社間と3者間ファクタリングに分けて整理してみましょう。
【2者間ファクタリング特有のメリット】
2者間ファクタリングは、利用者が取引き先で発生する売掛債権を、ファクタリング会社に持ち込むことで現金化する流れです。メリットは以下の通り。
迅速で柔軟な審査に対応
ファクタリングは、利用者の信頼度よりも、売掛債権の信用度を重視します。そのため、銀行などの金融機関の審査とは違い、驚くほどの短期間で審査が完了します。
早期に現金化が可能
取引きが完了するまでの期間はかなり短く、即日入金から2~3日程度で現金を入手することが可能です。
売掛先の承諾を得ずにファクタリングを利用可能
秘密裏にファクタリングが行えるのが、2者間ファクタリングの最大の特徴です。
信用情報に影響はない
2者間ファクタリングは、取引きによる一連の流れで、外部に漏れることは一切ありません。
売掛先が倒産しても回収リスクはない
契約内容が、償還請求権なしであれば、利用者が負うリスクはほぼありません。
【3者間ファクタリング特有のメリット】
3者間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社に加え、取引き先である売掛先会社を加えた3者の間で取引きを行うものです。3者間ファクタリングのメリットは以下の通り。
手数料がかなり安い
債権の額面や条件によって異なりますが、3社からファクタリングの場合、2社からファクタリングに比べると手数料がかなり安いことが特徴です。
売掛代金の回収義務がない
2者間ファクタリングでは、取引き先から売掛金の入金があった後に、ファクタリング会社へ返済する必要がありますが、3者間ファクタリングでは、取引き先が直接ファクタリング会社へ入金することになります。
子会社や下請け会社を守ることができる
体力のない会社は、資金不足に陥りやすく、このような状況でファクタリングによる手助けができます。
金融機関からの融資と比べると資金調達が早い
3者間ファクタリングの場合、2者間に比べて契約完了までの期間が長めですが、それでも1週間程度と融資に比べて、かなり迅速な対応が期待できます。
2社間・3者間ファクタリングの共通のメリット
こちらでは、2者間および3者間ファクタリングによる、共通のメリットを記載しておきます。
赤字決済でも利用可能
ファクタリングの場合、利用者側の会社が赤字決算でも取引きが可能です。
社会保険や税金滞納でも利用可能
税金の滞納や借入金があっても、特に問題になることがありません。
保証人や担保が不要
あくまでも債権の現金化ですので、保証人や担保は不要です。
将来債権の利用も可能
ファクタリング会社にもりますが、まだ発生していない売掛金に対してもファクタリングが可能です。
会社の負債にならない
同じファクタリングでも、こうして比べてみると、違いがよくわかるわね。
取引き先の同意が得られれば、手数料の安さからも、3者間ファクタリングの方が秀でているね。
でも、そんなに簡単にうまくいくのかしら ?
一昔前までは、ファクタリングそのものの認知度が低かったせいか、マイナス効果の方が大きかったね。
ということは、これからの主流は、3者間ファクタリングってことでいいのかしら。
それが、一概にそうとも言えないんだ。
それは、なぜなのかしら。
その辺を詳しく知るために、ファクタリングにおけるデメリットを見ていこう。
ファクタリングにもデメリットはある
幅広く認知されてきた感のあるファクタリングですが、それもこれも新たな法改正により、ファクタリングが利用しやすくなったことにあります。
リスクの低い資金調達方法として、ファクタリングはかなり優秀な資金入手方法ですが、メリットだけではないことを理解しておかなければなりません。
そこで、ファクタリングを利用するにあたり、どのようなデメリットがあるのか、2者間と3者間に分けて説明しておきましょう。
2者間ファクタリングのデメリット
売掛先企業に対するリスク
基本的に、2者間ファクタリングにおいて、売掛先相手に売掛債権の資金化が漏れることはありません。しかし、万が一漏れてしまった場合、取引き先から経営が危ういと誤解されることも。先々の取引きの縮小や、最悪取引き停止の事態を招きかねません。
3者間より手数料が高い
2者間ファクタリングは、3者間に比べると、ファクタリング会社のをリスクが高いため、どうしても手数料が高めに設定されています。
債権譲渡登記が必要になる場合もあり
ファクタリング会社によっては、リスクを考えて債権譲渡登記が必要になるケースもあります。その分手間が増え、余分な経費がかかってしまうことになります。
3者間ファクタリングのデメリット
売掛先企業に対するリスク
3社間の場合、取引き先相手に債権の現金化を説明し、ファクタリング契約を結ぶ必要があります。取引き先相手によっては、ファクタリングを認めず、関係が悪化してしまう可能性も否定できません。
即日の現金化ができない
3者間ファクタリングの場合、早くとも3日から1週間程度は見ておかなければなりません。
2社間・3者間ファクタリングの共通のメリット
売掛金以上の資金調達が不可能
融資とは異なり、ファクタリングは、売掛金の額面をベースとして現金化が決まります。
分割の支払いが不可能
通常のファクタリングでは、取引き相手からの売掛金が入金されて、その後ファクタリング会社に一括して支払うことになります。
どんな資金調達方法でも、ある程度のリスクはあることは仕方ないわよね。
現金を扱う取引きである以上、それなりのリスクはあるね。
魅力はやっぱり、短期間での現金化が可能なところかしら
ズバリそのとおり !
メリットとデメリットを踏まえて、ファクタリングを利用するのが一番だね。
よく勉強になりました。ありがとうございます、先輩 !
まとめ
いかがでしたか ? ファクタリングは、様々な資金調達方法の中でも、短期間で現金化が可能な優れた資金調達の手段です。しかし、メリットだけではなく、デメリットも存在するため、そうしたリスクを踏まえた利用を検討する必要もあります。
以上、経営者がファクタリングを利用するメリット・デメリットとは?…でした。
\ メリット盛り沢山 /