この記事でわかるポイント
- ファクタリングの相場はこれくらい
- ファクタリングの手数料の仕組みがよく分かる
- ファクタリングの仕組みをよく知ることこそ大切だった
ファクタリングの認知度も上がり、売掛金を債権とするファクタリングは、資金調達の一つの形として、確立された資金調達手段となりました。
果たして、自由な売掛債権の売買を可能とするファクタリングは、資金調達に困窮する事業者たちの救世主となるのでしょうか。
というのも、同じ資金調達方法として知られる融資と比べると、どうしてもコスト面が気になってしまうからです。
とはいえ、融資やローンは利息、ファクタリングの場合は手数料、といった具合に異なりますので、いっしょくたにする事はできないようです。
新型コロナウイルスは、いつ終息するのかしら。
どちらにせよ、有効なワクチンと、特効薬の開発が急務になるね。
コロナ倒産の話題も、ニュースに上っているけれど心配だわ。
2020年10月現在、全国でのコロナ関連の倒産は、650件以上に上るとされているよ。
でも2000年以降では、全体的な倒産件数は大幅に減っているんだよ。
えっ、それって本当 ?
それというのも、国の支援策が有効に働いたからなんだ。
そうなんだ。
例えば、緊急保証制度や中小企業金融円滑化法などが挙げられるけど、ファクタリングの利用者も大幅に増加しているんだよ。
意外な事実なのね。
ファクタリングは、資金調達を方法の中では、スピード面で最も優れているからね。注目されるのは当然ともいえるよ。
でも、手数料が割高なのよね。
そこで今回は、ファクタリングの手数料に関して、詳しく解説していこうと思うよ。
安くする方法とか、教えてくれると助かるかも。
そうだね。その点も踏まえて、まずはファクタリングの仕組みから見ていこう。
目次
ファクタリングの手数料の目安とその仕組み
ファクタリングの仕組みは、2社間ファクタリングにおいて、売掛債権の譲渡及び売却が多くの経営者にその仕組みとして、認知されているのではないでしょうか。
しかし、その実態は異なるもので、実際にはファクタリング会社に、売掛債権の権利の譲渡を行うもので、ファクタリング会社は手数料や支払い上限額による、現金の肩代わりを行っているものです。
つまり、利用者はファクタリング会社との契約により、相応の売掛金の前借りを行い、その後取引先から売掛金が払い込まれたら、ファクタリング会社に返済するといったスタイルです。
つまり、あくまでも、売掛債権を保有する会社は、売掛債権を利用して売掛金の前倒しを行う形となるわけです。2社間ファクタリングでは、売掛債権の譲渡に際して、債権譲渡登記を行うことが常とされています。
これは、ファクタリング会社が、二重譲渡や売掛金の回収による、リスクを回避する為の保全措置ともいえるものです。
3社間ファクタリングの場合は、売掛先の会社と買掛側の会社、そしてファクタリング会社との3社の間間で、ファクタリング契約が取り交わされますので、そうした債権譲渡登記を必要としません。
ファクタリング会社は、売掛先の会社と買掛側の会社との間で、契約に関して意思疎通を図ることができますので、3社間ファクタリングの手数料が安いのもうなずけるというものです。
つまり、2社間ファクタリングは、利用者にとって内密に行うことのできる資金調達方法ですが、ファクタリング会社にとってはリスクを伴うもので、それだけ手数料も上乗せされてしまいます。
現在、民間のファクタリング会社では、2社間ファクタリングの手数料は、10%から25%が手数料の目安となります。3社間ファクタリングでは、ほぼ10%から5%以下ということを見れば、その差は歴然としているといえます。
3社間ファクタリングに代表されるタイプとして、医療系のファクタリングを挙げる事ができます。医療系のファクタリングとは、病院やクリニック /調剤薬局 /介護施設などで発生する診療報酬 /調剤報酬 /介護報酬などがこれにあたります。
これらの医療系の報酬は、売掛先企業にあたるものが、国や自治体の機関や団体である為、ファクタリング会社にとってもっともリスクの低いファクタリングとなります。
ここまでの解説でお気づきのように、手数料はリスクの高さによって、高く推移していくことがお分かりいただけたことでしょう。
3社間ファクタリングは、ファクタリング会社にとってリスクの低いもので、安定した利益の得られる契約タイプといえます。
しかし、利用する経営者にとって、一般の会社間取引では、取引先に知られたくないというのが大きな理由です。ファクタリングが普及してきたといっても、取引先企業が必ずしも、ファクタリングに理解があるわけではなく、経営に問題があるのではないかと勘繰られてしまうことは、取引に直接影響を与えてしまうからです。
そのため、2社間ファクタリングを利用する経営者は多く、ある程度手数料が高いのも、仕方がないと考えているのが現実です。
手数料が高くなるのは、それだけリスクが高いってことなんだね。
ズバリ ! その通りだね。
ファクタリングには、2社間と3社間ファクタリングというものがあるけれど、3社間ファクタリングはリスクが低いからこそ、手数料も安くなっているんだ。
そうなんだね。
ただし、注意しておかなければならないのが、ファクタリングにかかる費用は、こうした手数料だけじゃないという点だよ。
えっと、どういう事なのかしら。
実は、ファクタリングを利用する際には、手数料以外にもかかる費用があるんだ。
そうなんだ。
そこで、手数料以外にかかる費用には、どんなものがあるのかをここで再確認しておこう。
手数料の基準と手数料以外にもかかる費用
ファクタリングをご利用中の経営者様の中にも、ファクタリングは意外に経費がかかってしまうと、お嘆きの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
せっかく、手数料が安い業者を見つけたにもかかわらず、契約を終えた際に割高感を感じてしまう利用者も少なくありません。
ファクタリングは、売掛債権の譲渡及び売却で、資金繰りに関しては非常に短い期間で、資金調達が可能な手段です。ファクタリングを利用する上で、誰しもが一番最初に気にするのが、ファクタリングによる現金化にかかる手数料といった問題です。
以前に比べて、かなり手数料は安くなった感はありますが、ほかの資金調達方法に比べると、2社間ファクタリングではどうしても割高感があります。
最近では、乗り換えサービスもある為、安易にファクタリング会社を乗り換えてしまい、結果トータルで見ると、かえって割高になってしまったといったケースもあります。
ではなぜ、手数料以外にも、余分な経費がかかってしまうのでしょう。実は、手数料がクローズアップされがちなファクタリングですが、契約完了までに必要な費用がありました。
ファクタリング手数料の基準
大手企業や安定した中小企業など、安定した経営が見込める会社は、ファクタリング会社も信頼が置ける為、手数料も低めに設定されることが多いようです。そこで、ファクタリング会社は、どのような基準において手数料を設定しているのかを表記しておきましょう。
売掛債権の価額
高額な売掛債権やまとまった売掛債権は、手数料を低く抑える事ができます。
入金時期までの日数
これは支払いサイトの問題ですが、1か月に比べて3カ月の売掛債権の方がリスクが高くなるため、長期の支払いサイトであれば手数料は高くなってしまいます。
利用者側会社と売掛先会社の与信状況
ファクタリング会社は、必ず利用者側会社と売掛先会社の与信状況をチェックします。当然、信用に値すると見られれば、手数料は低くなる可能性があります。
ファクタリング手数料以外にもかかる費用
2社間ファクタリングが、3社間ファクタリングに比べて手数料が高いのは、リスクの高さと手間がかかる問題があります。
特に2社間ファクタリングにおいて、売掛債権の譲渡を前提としている業者も多く、以外に費用がかかってしまう原因はここにありました。
譲渡登記にかかる費用
債権譲渡登記にかかる費用は以下の通り。
印紙税
債権譲渡契約書作成時に必要になります。
債権譲渡登記費用
内訳は印紙代と、司法書士の報酬などで、おおよそ5万円程度が必要です。
振込手数料
相場としては、108円~864円が目安です。以上のように、2社間ファクタリングにおいては、手数料以外にもかかる費用があります。
そのほか
交通費や郵送費 / 宿泊代など、ファクタリング会社によって対応は異なります。
ファクタリング会社によっては、そのほかの費用や振込手数料など、事務手数料に含まれることもあり、細かい内訳が分からない場合もあります。
したがって、そのほかの経費があまりにも高すぎる場合などは、詳細や内訳などを聞いておくとよいでしょう。
2社間ファクタリングは、手数料以外にもかかる費用があるのね。
3社間ファクタリングの場合、売掛先会社も含めて契約するから、債権の譲渡を行う必要がないんだ。
それで、債権譲渡登記の手間が無い訳ね。
そういうことだね。
じゃ、3社間ファクタリングの方がいんじゃない。
それはそうなんだけど、売掛先の承諾を得る必要があるからね。
それは難しいこと ?
会社の事情によって、変わってくると思うよ。
そうなんだね。
手数料の仕組みが分かったところで、次に手数料の内訳がどうなっているのかを見ておこう。
ファクタリング手数料の具体的な内容が知りたい
ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社にかかる諸経費と、リスクの大小によって異なってきます。
しかし、手数料の中には、必ずかかってしまう費用をというものがあります。そこで、手数料の内訳がどんなものであるのかを確認しておきましょう。
ファクタリング手数料の内訳
着手金
名目上は、ファクタリング契約を行う上で、最初にかかる費用のことです。民間系ファクタリング会社であれば、その多くは着手金の請求はありませんが、業者によって着手金を取られる場合があります。
掛け目
掛け目とは、簡単に言えば、売掛債権の額面に対して、買い取り可能額を示すものです。
例えば、掛け目が80%であれば、500万円の売掛債権を買い取ってもらう場合、500万円×80%となり、400万円が買取可能額の上限となるわけです。
掛け目は手数料というわけではありませんが、売掛債権の買い取り上限額を知ることにより、ファクタリング会社がどのくらいリスクを感じているかの判断ができます。
買取率
買い取り率は、手数料そのものの事で、ファクタリング会社の主な利益となっています。
例えば、前項の掛け目が80%、買い取り率が20%であった場合、500万円の売掛債権では次の数式で手数料を割り出すことができます。
500万円×80%=400万円 (買い取り可能額)、400万円×20%=80万円 (手数料)
次に、この買い取り額から手数料を差し引くと320万円となりますので、この金額が手元にわたる最終的な買い取り金額となるわけです。
ファクタリング契約において、後日売掛先会社から、売掛金が入金され次第にファクタリング会社へ振り込む事となりますので、買い取り可能額の400万円を、ファクタリング会社に振り込むことにより、すべての契約が完了することになります。
そのほかの手数料
事務手数料や審査手数料など、ファクタリング会社によって、純粋な買い取り手数料以外にも、手数料が求められる場合があります。
ただし、そのほとんどが、数千円程度とされています。消費税について・ファクタリングの場合、金融商品取引法上では、ファクタリングの取引には消費税は一切かかりません。
万が一請求されるようであれば、悪徳業者を疑ってかかりましょう。
手数料は、基本的に必要経費と考えてよさそうね。
必要経費というよりも、ファクタリングにかかる固定費と考えたほうがいいかもね。
リスクによって、買い取り率が変わるというのはよくわかったわ。
会社によって、手数料が異なるというのは、ファクタリング会社が見極めるリスクや考え方が、それぞれに異なっているということを意味しているんだ。
ということは、リスクが少ないということを、ファクタリング会社に知ってもらえばいいんじゃない。
そこを踏まえて、ファクタリングの手数料をいかに安くするかに重きを置いて、手数料を低く抑えるテクニックを記しておこう。
ファクタリングの利用者なら、覚えておかないと損ね。
そういうことになるね。
ファクタリングの手数料を低く抑えるテクニック
これまでの解説で、ファクタリング手数料のファクターを占めるのが、売掛債権の価額/支払いサイトの長さ/債権に関連する与信状況であることが、お分かりいただけたことでしょう。
売掛債権の価額は、ファクタリング会社の利益に直結するもので、掛け目や買い取り率によって変動していきます。ファクタリング会社にとって、手数料はリスクの裏付けであり、高額の手数料はそれだけファクタリング会社がリスクを背負うことになります。
利用者側にとって、償還請求権ナシのファクタリング契約は、大きなメリットをもたらすものです。償還請求権ナシの契約であれば、万が一売掛債権企業が倒産したとしても、売掛金の返済義務が一切無いからです。
逆にファクタリング会社は、こうした不払いや倒産のリスクがある為、少しでも危険性がある場合、どうしても手数料が割高になってしまうのです。そこで参考までに、ファクタリングの手数料を安くする為のテクニックをご紹介しておきましょう。
手数料を低く抑えるテクニック
慎重なファクタリング会社選び
あまりにも安すぎる手数料、あるいは高すぎる手数料は危険、乗り換え時にも注意が必要です。買い取り実績により、手数料が安くなるファクタリング会社を選び、情報のすり合わせや確認は慎重に行いましょう。
面接のあるファクタリング会社を選ぶ
面接は利用者がアピールできる唯一のもの、どれだけ安定した取引が行われているのか、確実性を訴えることにより心証もよくなります。
2社間よりも3社間ファクタリング
当然、3社間ファクタリングの方が手数料が安いため、利用するための道を探るのも賢明です。
契約の前にしっかりと打ち合わせをする
相手にこちらの真意が伝わっているのか、希望があれば事前にすり合わせておきましょう。
当たり前のようだけれど、以外にできていないかもね。
どうしても、資金調達を優先に考えるから、焦らないで冷静な取引を心掛けることこそ大切なんだ。
詐欺に合う可能性もあるからね。
安い手数料を提示して、銀行通帳や印鑑を預けるなどの手口は、詐欺の譲渡を手段だよ。
なるほど、悪徳業者に引っ掛からないようにも注意が必要ね。
アピールも重要だから、面倒くさくても面接があるファクタリング会社がいいね。
よく勉強になりました。有り難うございます、先輩。
まとめ
いかがでしたか ? 手数料を安くするには、ファクタリング会社に、リスクが少ないことをアピールする必要があります。乗り換え時なども、これまでのファクタリング取引の実績を示し、担当者にリスクの低いことを伝え、こちら側の希望と誠意を積極的に伝えていくことこそ大切です。
以上、ファクタリングの手数料はどのくらいが妥当?安くするには?…でした。
\ メリット盛り沢山 /