銀行融資と比べてみれば、借り入れの利息とファクタリングの手数料のことを考慮しても、ファクタリングが圧倒的に不利だという事は、どなたでもお分かりいただけるかと思います。
思い立ったが吉日、とは言いますが、短期間での資金作りに関しては、ファクタリングの方が断然有利なのは間違いありません。
資金調達の為の、ファクタリングを考えた際には、必ず抑えておかなければならないポイントというものが存在します。
そこで、スムーズなファクタリング契約の為にも、基礎的な知識をまずは学んでおく必要があるのです。
銀行の場合、審査の対象が本人なのに対して、ファクタリングの場合、審査の対象が本人の会社よりも、売掛先の企業に重点が置かれているんだよね。
だいたいはそうだね。ところで、ファクタリングの契約の流れは理解しているかい?
申し込んだ後、審査があって、通れば契約だから、基本的には融資と同じだよね。
そうだね。この中で一番重要なのは当然契約になるね。そこで、ファクタリングの契約の際に、ぜひ覚えておいて欲しいポイントを解説してみたいと思う。
よろしくお願いします。先輩 !
ではまず、契約に必要となる書類を見てみよう。
目次
ファクタリング契約時に必要となる書類
多かれ少なかれ、ファクタリングを初めて利用される方のほとんどは、サービスの内容を詳しく理解している方は少なく、漠然としたイメージでファクタリングを依頼しているという事はよくあります。しかし、知識が少ないことで、依頼者側に不利に働くこともあります。それは、審査が通らなかったり、手数料が高くついてしまったりする可能性、あるいはこちら側の不勉強を逆手に取り、不利な契約に持ち込まれることもあります。
逆に、ファクタリングをよく理解していれば、ファクタリング会社の方も、利用者を侮れないということが理解でき、こちら側に有利に働くことにつながります。ファクタリング契約時に、求められる書類は、ファクタリング会社によって多少異なりますが、資料として最低限必要となるものを記載しておきましょう。
- 身分証明書・商業登記簿謄本と印鑑証明書(契約書の署名なつ印用)
- 決算書や確定申告書など (直近三年分の会社の業績が確認できる資料)
- 売掛企業先との基本契約書
- 過去の入金の確認ができる通帳 (継続的な取引が行われているかの確認)
個別契約書 (発注書や請求書及び契約書)
ファクタリング会社やサービスの内容によって、更なる書類の提出を求められる場合もあります。
ここで挙げているのはファクタリング契約で、最低限必要な書類と覚えておくといい。
なるほどね。売掛債権のリスクがどれだけあるかを判断する訳ね。
提出する書類の中身を判断するのは、それぞれに意味のあることなんだ。
何を確認しているかということだよね。
銀行系のファクタリング会社なら、これ以外にも詳細な書類を求められるし、かなり厳格な審査が行われるから、審査に時間がかかることが多いようだよ。
ファクタリング会社は書類のここに着目する
身分証明書は、依頼者の所在をはっきりさせる為のもので、運転免許証やパスポート、住民票などがこれに当たります。同様に、商業登記簿謄本は、会社の存在を明らかにするもので、詐欺によるトラブルを未然に防ぐものです。また、印章や印鑑証明書は、当然の事ながら契約書には欠かせないものです。
様々な提出書類の中で、特に注目する書類は、決算書や確定申告書などです。決算書は、企業の業績を語るもので、確定申告書と同様に、十分な業績があるのか、税金の支払いを行っているのかを確認しています。
ファクタリング会社のホームページを見ると、赤字決済や税金の滞納があっても、ファクタリングの利用が可能と記載されているのを見かけますが、これはファクタリングが必ずしも会社経営を重視しているのではなく、売掛債権の信頼度を重視している為です。
しかし、少なからず査定には響きますので、健全な経営を行っているのに越したことはないでしょう。売掛企業先との基本契約書ですが、現行法では売掛債権の移譲を禁止している場合もありますので、その確認を行います。また、取引確認の通帳や発注書や請求書は、用意できなければ100%断られてしまいます。
やっぱり書類の中にも、特にチェックするものがあるんだね。
そうだね。詳しくは下のコラムで確認することができるから、参考にしておくといいよ。
【参考記事】ファクタリング会社が求めるエビデンス提出と審査基準
次に審査に対する必要条件を見ておこう。
ファクタリングの審査に通るための条件
多くのファクタリング会社では、まず依頼者の信用度がどれくらいあるのかを確認します。その為、ほとんどのファクタリング会社では、依頼者との面談を行うのが一般的となっています。特に、2社間ファクタリングでは、売掛債権による現金の先渡しが行われる為、その後の入金が確実に行われるのか確認しておく必要があるからです。
その為、審査に確実に通るには、ファクタリング会社に対して、これなら大丈夫と思えるような情報の提出が必要なのです。特に、重要な項目となってくるのが、依頼者と売掛先の取引関係や、これまでの取引の内容及び実績があることが大切になってきます。
また、書類の不備があれば、それだけ減点材料になることは間違いありません。ただし、依頼者が個人事業主の場合、提出できない書類もありますので、この場合は担当者と相談してみるのが一番です。そして、重要なのが、依頼者が法人であっても、売掛側の会社が個人事業主であった場合、サービスが利用できないことがあります。
一番大きな理由としては、個人事業主の場合、与信情報を詳しく知ることが出来ず、リスクが大きくなるというのが最大の原因です。ただし、家賃収入を対象としたファクタリングなどは、その限りではありません。
なるほど。売掛先との関係や実績が、重要っていうことだよね。
だからこそ、情報の出先が分かりにくい個人事業主の場合だと、リスクが高いから審査が通りにくいんだよ。
そうかあ。
じゃあ次に契約内容がどのような条項で、記されているかを具体的に見ていこう。
ファクタリング契約の主な条項
契約書は、署名となつ印後に、その効果を発揮しますが、契約に際しては各条項についてしっかりと確認をしておきましょう。後で話しが違うといっても、契約書が作成されてしまえば、即座に法的な効力を発揮してしまうからです。ファクタリングの契約の条項は、意外と多いもので、どのような内容が記されているのか、おおよその条項をここに記します。
- ファクタリングについての定義
- 契約の目的及び債権の対象範囲
- 類似契約の協議および売掛債権の譲渡
- 売掛債権の支払い方法と報告
- 融資に対しての条項
- 手数料の条項
- 承諾通知の方法
- 売掛債権の返還に関する条項・資金の返還に関する条項
- 債務履行の遅延損害金について
- 債務者に関する報告義務の条項
- 担保引き渡し及び権利行使に関する協力
契約期間に関する条項
なお、これらの条項は、一部抜粋に過ぎませんが、ファクタリング会社によっては、サービスの内容により必要書類の省略もあり、また個別の条項が追加されている場合もあります。契約書の内容が分からない場合は、必ず担当者の方に確認を取るようにしておきます。また、契約書は必ずコピーを取り、所持しておくことを忘れないようにしておきましょう。
かなりの内容ね。
正規の契約書だからね。
家電製品買ったときにもマニュアルがあるけど、あまりこういうの見ないな。
数十万円、数百万円以上の契約になることもあるから「見てみなかった」では困るんだ。
はーい。
この中で特にチェックしておきたいポイントを見ていこう。
契約書の内容でチェックしておきたいポイント
ファクタリングを利用する方は、少しでも早く資金を手に入れたいと思っている方が多く、その分冷静な判断がしにくいとも言えます。そこで、契約書の内容にはしっかりと目を通し、確認をしておく必要があります。契約書は、法的な拘束力を持ちますので、内容を確認せずサインしてしまうのは、愚の骨頂ともいえるものです。
後で確認をしたら、見積もりをもらった当初の条件とは異なっていた、ということもなきにしも非ずです。その為にも、ファクタリング会社と対等な取引となるように、各契約条項をしっかりと確認しておく必要があるのです。
どうしても、判断がつかなかったといった場合は、いったん持ち帰り、公認会計士など法律の専門家から意見を聞くのもありです。チェックしておきたいポイントとしては、手数料は何%なのか、そしてどれくらい差し引かれて、手元にいくらくらいの金額が得られるのかという点です。
また、契約時にかかる費用やその内訳、債権譲渡契約以外の契約が必要かなども、事前に確認しておきましょう。さらに、契約を急ぎたいのであれば、あらかじめ契約時に持参する書類には、何が必要なのかを確認しておきましょう。
大切な契約だから中身を把握しておくことはもちろん、確認作業がかなり重要になるよね。
特にチェックしておきたいのは、見積もりの段階で担当者に、契約内容をよく聞いておくことだね。ちなみに、もっと詳しく書かれているコラムもあるから、下の記事を参考にしておくといいよ。
【参考記事】ファクタリングを利用する際にチェックしておきたいポイント
まとめ
ファクタリングが、いくら融資などと比べて、比較的簡単に行えるとはいえ、契約に至るまでの流れや契約そのものには、それなりの格式があります。特に、法人間での取引は、互いにビジネスのプロとしてみなされますので、法律に疎かったなどの申し開きは、法的にも一切意味をなしません。
なぜなら、法人の経営者は、法律に関しても必要な知識を持ち、取引に関して慎重に判断しているとみなされるからです。
以上、ファクタリング契約のために知っておきたい7つの基礎知識…でした。
\ メリット盛り沢山 /