この記事でわかるポイント
- 資金繰り計画の重要性
- 資金繰り計画の正しいやり方
- 財務管理から行う事業戦略について
「お花屋さんをもちたい」、「お洒落なカフェでお菓子作りをしたい」など、誰しもそことなくおぼろげな夢というものは、若い頃からあるものです。
社会に出て初めて、その厳しさというものがわかるものですが、同時に自分で事業を立ち上げてみたいという思いも、少なからず寄せる方も多いことでしょう。
しかし、何事にも計画性は重要で、ビジネスの世界も変わりません。
私って、昔から考えなしで行動するから、よく母に計画性が無いって怒られていたわ。
ま、自己責任の範疇ならいいけど、会社の経営者となればそうは行かないからね。
ですよね。でも、健全な経営を心掛けていれば、そんなに問題事は無いわよね。
健全な経営って言うけど、それが一番大変なんだ。
一般人にとっては、現実的じゃないからかも。
まず、経営者としての心構えも重要だけど、一番重要なことは資金調達の手段だね。
会社を経営するには、資金繰りをしっかり行わないとね。
そこで今回は、会社経営に必要な、資金調達の事を解説してみよう。
まずは、企業における心得を見ておこう。
目次
起業の心得とは「タイミングよく波に乗る」こと
いずれかの会社を立ち上げ、起業家の道を目指すのは、やはり自らが経営に携わり、事業を拡張させることは一つの野心です。
一般的には、就職し社会に出れば、先輩社会人達の指導を受け、様々な仕事を覚えていくことになりますが、いずれも自分の考えで物事を進められないことから、多くの方がジレンマを感じているようです。
「いつかは会社を立ち上げ、経営者として自分の力量を周囲に認めさせる。」
こうした思いで、つね日ごろから仕事に情熱を傾けている方も、少なからずいらっしゃるはずです。
もちろん、会社に定年まで居座って、老後を安泰させると、お考えの方もいらっしゃいますが、今の社会体制は決して定年まで、安定した人生が送れるとは限りません。
そこで、一つの選択肢として、これまで培ってきた技術やノウハウをもとに、自分で事業を立ち上げてみるということです。
とはいえ、誰しもが起業の道を、即座に実践できるわけではありません。鉄は熱いうちに打てと申しますが、具体的に何から始めるのか、そしてどこから始めてよいのかを理解しておかなければ、いつの間にか気持ちが薄れてしまうこともよくあるからです。
最近は、以前とは違って、個人規模でのビジネスが、より一層をやりやすくなったといわれます。
ネットオークションや Uチューブなども、そうした個人ビジネスの一端を担っており、環境さえあれば誰にでも自由に参加可能なのが、こうしたマイクロビジネスの業界と言えるでしょう。
重要なことは、「何を売り物にし、どのようにして売上にしていくか」ということです。
簡単に言えば、自分の情熱とスキルが売り物にできるのか、そしてその有用性と需要が見込めるのであれば、成功する確率はかなり高くなっていくはずです。
起業するには、年齢は対して関係ないと言われますが、やはり退職するような年齢層と、若年層を比べてみれば、その情熱や行動力からも、若い頃に起業した方が成功する確率も上がってきます。
もちろん、重要なのは波とタイミング。
波とは、世間の風潮や需要の事で、そうした波に合わせて、事業を開始するということです。
そうして、そうした波に素早く乗る為にも、事業計画をしっかりと練っておくことこそ、重要なポイントとなります。
私の人生、なんだかタイミングばかり、外しているような気がする。
ハハハ、時には奇をてらうことも必要だけど、冒険するよりは景気の波に合わせて事業を行うと、やけどは少ないと言われているね。
次に、スタートアップ企業における、事業展開のやり方を見ておこう。
スタートアップ企業における資金調達の手段とは
ニュースやマスコミなどで、とかく取りざたされる事の多くなったベンチャービジネスは、それなりのネームバリューにより、名称だけは知っているという方も多いのではないでしょうか。
ベンチャー企業の概念は、企業として新規事業への取り組みを行うことで、これは既存の企業も含まれています。
一方で、スタートアップ企業のことはあまり知られていないようで、簡単に言えば新たなビジネスモデルを展開するビジネスのことです。
新たな事業ということで、ベンチャー企業とよく似ていますが、スタートアップ企業の場合は、これまでになかったビジネスモデルであるというところが違います。
つまり、新たなビジネスの展開で、市場も発展途中という事もあり、あまり大きくないというのがその特徴です。
いずれにせよ、スタートアップ企業とベンチャー企業は、ビジネスを形成していく過程で事業を世に広め、市場を広げていく必要がありますので、外部からの資金調達は欠かせないといえます。
そこで現在、こうしたビジネスへの投資として、ベンチャーキャピタルが広く利用されるようになってきました。
ベンチャーキャピタルとは、企業に資金を出資し、事業を繁栄させることにより、リターンを受けるといった投資のひとつの手法です。
そこで、スタートアップ企業は、明確なプランの実現の為、まず第一に考えなければならないのが、最重要課題である資金調達の問題です。
資金調達の方法には、主に2つの方法があり、直接金融と間接金融によって、事業資金を入手するといった方法が一般的です。
直接金融(エクイティファイナンス)
まず直接金融とは、企業の株式および社債を発行して、これを一般投資家に出資してもらう形で、資金調達を行う方法です。企業の資本を利用した資金調達として、エクイティファイナンスと呼ばれるものです。
間接金融(アセットファイナンス)
そして、もう一つの資金調達方法が、アセット・ファイナンスとも呼ばれる方法で、間接金融とは銀行などの金融機関による資金調達、つまり融資やローンがこれに該当します。
直接金融と間接金融の違い
両者の違いは、以下の通りです。
- 間接金融(アセットファイナンス)は、金融機関などの融資やローンの利用者側に借りた責任がある為、返済の義務が生じる。
- 直接金融(エクイティファイナンス)の場合は、リスクをすべて出資者が背負う。
また、資金調達の方法には、もう一つデットファイナンスといった手段があります。
こちらは、会社保有の資産売却による資金調達ということもあり、起業したの会社では体力不足ということもあって、これを利用することはほとんどないでしょう。
スタートアップ企業っていうのは、「今までになかったビジネスを行う企業」ということなのね。
新規開拓になる分、リスクはあるけど、当たると大きいのがこうしたスタートアップ企業の特徴だよ。
あまりイメージがわかないけど。
IT分野でいえば、ハード面でパソコンやスマートフォン、ソフト面ではアプリソフトなどがこれにあたるね。
では次に、資本政策について見ていこう。
資本政策の必要性とは
政策といえば、ほとんどの方が、政府や政党などの施政方針を、思い浮かべるのではないでしょうか。
実を云うと、ビジネスにおいての資本政策とは、企業が会社事業を遂行していく上で、必要な資金調達を実現する為の施策を言います。
どの会社であっても、最初は新規事業主として、会社を立ち上げる事からスタートします。
では、企業のゴールとは、いったいどこにあるのでしょう。もちろん、あえて会社を終わらせるという意味ではなく、目標といったものです。
つまり、企業の目指す最終目標は、株式の上場や一部上場となるわけです。
その為に重要になってくるのが、資本政策の必要性で、かいつまんで言えば、事業を遂行していく上で、必要となってくる資金調達を実現する為の施策ともいえるものです。
株式の上場といった実現を目指す為に、まずは立案として中長期利益計画から、具体的な株式の上場時期や市場を定めておく必要があります。
また、上場審査の形式基準を充足させるとともに、事業計画に基づく必要資金の確保、そして、上場時の望ましい株主構成にする為の募集株式割当や、株式移動の方法、その具体的な実施時期も検討しておく必要があります。
株式上場準備を目標としての、資本政策は以下のようにまとめることができます。
発行株式数の増加および資本規模
まず、上場時の一株当りの数値水準は、類似する他社との比較を行い、想定株価水準を推定します。
もちろん、この時の数値基準は、自社の利益や純資産等に依存しますが、上場後の株主還元や、経済環境や市場の変化への対応も、可能性として視野に入れておく必要があります。
財産保全会社の株式評価は、純資産から含み益の37%を減額できるメリットが残されています。
つまり、株価が安い時期に、財産保全会社へ自社株を移動等すれば、その効果を享受できるというわけです。さらに、株式の分散を防止するとともに、株主としての安定化を図ることができます。
資本政策の立案
最も重要なのは、事業計画と必要資金である、会社の運転資金や設備投資資金などを、いつ / 誰から / どのような方法で集めるかを検討しなければなりません。
そして、資金調達が既存株主の議決権割合に、どのような影響を与えるか検討し、相続対策/安定株主対策/役員/従業員の持株対策と関連付けて、決定していくとよいでしょう。
このように資本政策の具体的方法は、株式移動/株主割当増資/第三者割当増資を順次決定して行ってことになります。
また、金融商品取引法、会社法、税法、公開前規制に配慮しつつ、投資家を含む利害関係者の同意を得られるよう留意し、立案していかなければばなりません。
何やら難しげなものばかり。
小規模事業主として、自由にやっていくのも一つの選択肢だけど、会社を大きくしていくのも、企業家としての夢でもあるし、その為にも資本政策が必要になってくるんだ。
そして、そこで重要なのが、資金調達の必要性ということになるね。
資金繰り管理の重要性
必死に頭を下げ、ようやく念願の起業を果たした嬉しさは、若葉マークの経営者と言えども格別のものがあります。
後は事業を拡張させ、大きく会社を成長させるだけですが、実は資金繰りの連鎖は会社を持続させる為にも、一生つきまとうものと聞けば、肩をがくりと落としそうになります。
しかし、企業経営において、資金は必要不可欠なものであり、お金がなければ従業員への給与の支払いもできず、仕入れや固定費など、経営継続の為にはそれなりの十分な資金が必要なのです。
新たに会社を立ち上げた際には、事業資金として設備資金及び、運転資金を借り入れすることになりますが、それだけで終わりではないということです。
会社を経営していくには、先ほど述べたように、仕入れ資金のほかにも、固定費の支払いなどがあり、返済にかかる費用も毎月支払わなければなりません。
その為に、会社を立ち上げて、順調な滑り出しを果たしたとしても、資金調達は切っても切り離せないことなのです。
その為に重要なのが、資金繰り管理の必要性であり、資本政策をしっかりと行っておく必要があります。
その為にも、必要なのがビジネスプランであり、事業計画と呼ばれるものです。
事業計画は、単に理想を思い描くものではなく、具体的な数値を目標にし、数カ月あるいは1年後や5年後を見据えて、売り上げ目標などを設定するものです。
そこで重要なのが、資金繰りの管理。具体的に言えば、フリーキャッシュフローを確実に導きだすということです。
フリーキャッシュフローとは、企業における事業や財務活動により、毎月生じる収入の部から、固定費や借入金など外部へ支払う支出を、差し引いたあとに手元に残る資金のことを言います。
なぜ、このフリーキャッシュフローが重要視されるかといえば、キャッシュの増減を元に、経営状態を明らかにする事ができ、企業価値を正確に算定できるからです。
それでは企業価値とは、具体的にどのようなものを言うのでしょう。
企業価値とは、会社そのものの経済的な価値であり、もっと正確に言えば、事業が持つ価値を具体的な金額により表現するものです。
企業価値が算定できれば、株式の発行のタイミングや発行数なども、具体的に数値化しやすく、株価も想定しやすいからです。
具体的な株式を想定できれば、株主に対しても、どのくらいの株式を保有させるのかといった、資本政策を具体化できることにつながるからです。
つまり、これまでに説明したように、事業計画とフリーキャッシュフロー、企業価値はすべてつながりをもつもので、最終的に資本政策を作成する事に役に立つことになります。
スケジュールも重要だけど、それ以上に管理していかなければならないということなのね。
こればかりは、経営者一人でできることではないから、いろいろなブレーンに恵まれる事も必須条件だね。
企業運営に効果的な資金調達方法
資金調達の方法は、いくつかありますが、起業する際に出資してもらえるなどといった例は、よほどのコネクションがない限りは無理でしょう。
一般的には、金融機関からの融資、あるいは補助金や助成金を受けるのが常で、自己資金ですべて賄うというのもかなり無理があります。
いずれにせよ、起業したての会社の場合、事業資金の借り入れを行っているケースがほとんどですので、負債を抱えていることが前提となります。
事業が安定して行われていれば、更なる事業の発展をめざし、業務拡張といったビジネスプランを広げることになりますが、ここで必要となるのがやはり、追加資金の必要性ということになります。
資金調達の方法として、一番重要なポイントとなってくるのが、どのようなタイミングで、どのような資金調達を行うかという点です。
例えば、広く事業を拡張していくならば、必要な店舗の確保や設備投資、そこに働く従業員などの確保が必要となります。
ただし、ただやみくもに設備投資を行ってしまえば、思うような売り上げが上がらず、倒産の危機を招く危険性もあります。
経営者としては、波に乗ってビジネスを進めていく事は重要ですが、しっかりとした経営理念を持ち、ビジネスプランに沿って事業を円滑に行う必要があります。
景気が良くなってくると、さらに業績を伸ばそうと、設備投資を活発に行う経営者もいますが、あまり強引なのも考えものです。
というのも、黒字倒産の原因にもなりかねないからです。そこで、有効な資金調達方法として考えられるのが、ファクタリングを利用した資金調達です。
ファクタリングは、売掛金を債権として、売却することにより、売掛債権を現金化するといった資金調達方法です。
融資やビジネスローンとは異なり、借入金ではありませんので、会社の負債とはなりません。なぜなら、売掛金は会社の売り上げであり、会社の資産としての売却を行うからです。
さらにファクタリングは、キャッシュフロー上でも負債と相殺できる為、キャッシュフローの改善にも役立ちます。
また、2社間ファクタリングでは、信用機関に知られる事もありませんので、融資を検討している際にも問題になりません。
ただし、銀行融資と比べると、手数料の面でやや割高といえますが、資金ショートの打開策として、ファクタリングは非常に有効な手段と言えるでしょう。
ここで重要なのは、どのようなプランで資金調達を行っていくかという事よね。
ずばりその通り ! 資金繰りが悪化しているところに、更に借り入れを重ねても、うまく行くとは限らないからね。
経営の見直しも、並行して行わなければならないのね。
そういうことになるね。
そこで、短期で資金調達を行うのか、中長期が有利なのかを検討する必要があるんだ。
なるほど、かなり勉強になりました。
まとめ
昨今、経営がうまくいっていても、黒字倒産となってしまう企業も増えています。
資金調達は、いわば起業家の心得と言えるものですが、すぐに融資に頼っていては、いざトラブルが生じた際に対応できません。
その為にも、戦略的な資金繰りの必要性は重要で、短期及び中長期を見据えた資金調達の方法を、確立させておく必要があるのです。
以上、起業家の心得と戦略的な資金繰りの必要性…でした。
\ メリット盛り沢山 /