この記事でわかるポイント
- ファクタリングの種類は意外に多い
- ファクタリングのタイプによって使い分けが可能
- あなたにピッタリのファクタリングが分かる
経済の動向に敏感な方なら、当然ファクタリングのことはご存じでしょう。現代社会は、これまでのインターネットの普及もあり、スピード感が前提となってきました。
しかし、必ずしもすべての状況が迅速なわけではなく、その最たるものとして、資金調達の在り方が考えられます。銀行などの融資は、多くの経営者にとって、或る意味ステータスであり、会社経営が順調な証拠として見られます。
しかし融資の場合、すぐに資金を得られるとは限らず、リスケなどを行った場合、評価が下がってしまうリスクがあります。その点、ファクタリングは、迅速な資金調達が行える手段として、中小企業の経営者たちの間で大いに注目を集めています。
新型コロナウイルスの影響で、経営難に陥っている会社が多いと聞くわ。
食料品関連や、IT関連などは影響が薄いみたいだけど、ほとんどの会社がコロナの影響に脅かされているのは事実だね。
営業自粛は、商売ができないってことだからね。
そうだね。経営の在り方もずいぶんと変わってきているよ。
そんな時に役立つのが、ファクタリングじゃないの ?
そのとおり。2社からファクタリングなら、その日のうちに現金化することも可能だからね。
融資とは、全然スピード感が違うわね。ファクタリングですごい !
ファクタリングにも色々あるからね。
色々って、そんなに種類が多いのかしら。
それじゃ、今回はファクタリングには、どんな種類があるのかタイプ別に詳しく解説してみよう。
楽しみね。よろしくお願いします、先輩。
目次
一般的なファクタリングのタイプ
【売掛債権ファクタリング】
私たちが一般的に、ファクタリングと認識しているのが、この売掛債権ファクタリングと呼ばれるものです。どんな会社でも、自社の商品かサービスを対価に、売り上げを上げるのが常です。
しかし、企業間取引きにおいて、現金で取引きを行うことはまれです。なぜかといえば、少ない取引きならまだしも、様々な価格帯の商品やサービスを、その都度現金と交換していては非常に手間がかかるからです。
例えば商品取引きに際して、その場で個数を数えて、その合計金額を相手側に提示し、それから現金を用意してもらうには、手間以外にも多くの労働力を必要となってきます。
そのため、1か月ごとに集計し、その後まとめて支払うという形ができたからです。
つまり、商品やサービスの導入から、代金の支払いまでには1か月以上かかることが当たり前で、これら売掛金となるわけです。この売掛金を債権とし、現金化を目的とするのが、この売掛債権ファクタリングということになります。
売掛債権ファクタリングは、2者間ファクタリングと 3者間ファクタリングにわけられ、双方ともに通常数カ月かかる支払いサイトを、短くできるメリットがあります。売掛債権は、本来会社の売り上げとなりますので、銀行融資とは異なり、会社の負債とはなりません。
【医療報酬ファクタリング】
医療報酬ファクタリングは、診療報酬あるいはメディカルファクタリングと呼ばれるもので、主に医療・介護関連の診療報酬を対象としたファクタリングです。
医療従事者の方であればご存じのように、通常診療報酬入金サイトは、比較的長期なのが一般的で、例えば3月の診療報酬分であれば、5月21日の支払いなど、3カ月近くかかるのが普通です。
こうした診療報酬を、売掛債権として前倒しした形で現金化するのが、診療報酬ファクタリングと呼ばれるものです。診療報酬ファクタリングの対象となるのは、以下のような業種となります。
- 病院関連の診療報酬
- 薬局関連の調剤報酬
- 介護関連の介護報酬
基本的には、3者間ファクタリングのタイプで、ファクタリング会社は全国健康保険組合などを相手に、ファクタリング契約を行います。いずれにせよ、3カ月といった長期の入金サイトを短くできるのは、かなり大きなメリットと言えるでしょう。
【収納代行型ファクタリング】
収納代行型ファクタリングとは、毎月一定の取引きがあり、利用者の代わりにファクタリング会社が収納代行及び、代金回収を行うものです。収納代行型ファクタリングが利用できるのは、以下のような業種です。
ファクタリングは、基本的に企業の売掛債権のみが対象ですが、収納代行型ファクタリングの場合は、個人経営でも利用できるのが特徴です。
- 塾経営
- 着物教室経営
- 家賃収入
- その他カルチャー教室など
顧客がこのように瀬戸さんを対象としている場合、毎月の家賃や月謝・会費が売掛金として発生するものです。収納代行型ファクタリングは、これらを売掛債権として、ファクタリングの対象とするものです。
経営者にとって、生徒や会員たちからの支払いは、銀行振り込みやカードの支払い、現金払いなど様々で、対応にあたる労力や手間も、一括して省くことができるのが大きなメリットと言えます。
代表的なファクタリングのタイプといえば、やっぱり2者間と3者間ファクタリングが基本だね。
ですよね。医療報酬ファクタリングも、3者間ファクタリングになるんだよね。
その通りさ。次に、現在注目を浴びているファクタリングを見ていこう。
現在注目を集めているファクタリングのタイプ
【在庫買い取りファクタリング】
会社の在庫商品などを、債権としてファクタリングの対象とするのが、在庫買い取りファクタリングの特徴です。商品は消費者に販売されて、初めて現金化されるものですが、売れない商品はそのまま在庫として残ってしまい、管理上こうした不要在庫はすべて赤字となってしまいます。
形としては、在庫をそのまま売却することができますので、すべて売り上げとして計上できるのが魅力です。早期に現金化でき、新たに仕入れが可能となるほか、管理費などのコストも下げることができます。在庫買い取りファクタリングに、向いている業種は以下の通りです。
- 宝石商
- 貴金属店
- アパレル関連
- 電化製品取扱い店
- 日用雑貨店など
【将来債権ファクタリング】
2020年4月の民法の大改正の中には、債権法の改正というものがありました。それまで債権に関しては、不透明な部分もあり、今回の債権法の改正により、将来債権の譲渡(担保設定)が可能であることが明文化されました。
将来債権とは、将来にわたり、売掛債権が発生するであろうことが認められることが前提です。会社間取引きの場合、最低でも半年以上の取引きの事実が必要で、数年間安定した取引きが行われていれば、ほぼ将来債権ファクタリングな利用できるといってよいでしょう。
通常会社間取引きにおいて、数カ月の支払いサイトがありますが、将来債権を対象とすることにより、1か月分の売掛債権だけではなく、数カ月分の予想を売掛金が、将来債権ファクタリングの対象となります。
これにより、まとまった資金が調達できることになり、企業経営にとってイニシアティブが取れるとは、大きなメリットとなることは間違いありません。
【給料ファクタリング】
ファクタリングは、基本的には企業の売掛債権に対して、譲渡売却による資金調達を対象とするものです。最近では、個人事業主に対しても、ファクタリング会社が寛容な姿勢を見せているケースもありますが、基本的に個人レベルでは、ファクタリングが行えないのが業界の通説でした。
というのも、企業間取引きでは、売掛債権に対して信用の裏付けを取りやすく、個人レベルではあやふやで、信用情報の把握がしにくかったからです。
給料ファクタリングは、個人の給料を売掛債権化し、これをファクタリングの対象とするものです。給料ファクタリングには二つのタイプがあり、一つは利用者の取引き相手に該当する、経営者を交えての3者間ファクタリング。
そして、会社に秘密が漏れないよう行う、医者からファクタリングのタイプがあります。いずれにせよ、給料の前借りになりますので、計画的に利用していかなければなりません。
商品の在庫も、ファクタリングになるんだ。
厳密に言えば、在庫は債権に当たらないけれど、会社の財産だから、現金化は可能なんだ。
なるほど。
将来債権は、債権法の改正によって注目を著しいね。
コロナ危機を、乗り切る助け舟になるわね。
先行きが不透明だから、一概に楽観視はできないんだけど、数カ月間先の売掛金に対して、現金化できるのは大きな魅力であることは間違いないね。
だよね。
一般的に、ファクタリングと呼ばれているのは、これまでに紹介したタイプなんだ。
そうよね、インターネットのサイトでもよく見かけるわ。
次に紹介するのが、少し特殊なタイプ。使い方によっては、大いなる可能性を秘めているファクタリングだよ。
少し特殊なファクタリングのタイプ
【一括ファクタリング】
一般的にファクタリングとは、会社の経営者など、依頼者が取引き先の売掛債権を現金化するものとして認知されています。
しかし、一括ファクタリングは、従来の売掛債権ファクタリングの逆バージョンともいえるもので、取引き先の企業が依頼者となり、買掛側の企業に対してファクタリングを行うものです。
少しややこしい話しですが、親会社が系列会社や子会社に対して、資金繰りを楽にさせる手段といえば分かりやすいのではないでしょうか。
具体的には、商品及やサービスを提供する会社が、子会社やグループ企業であった場合、ファクタリングにより、前倒しで売掛金を渡すことで、資金確保を行う手段として利用されています。
昨今のコロナ渦の影響で、規模の小さな会社ほど、経営難に陥るケースが増えています。一括ファクタリングは、こうした状況を回避するうえで、効果的な資金調達の手段となり得るものです。
【国際ファクタリング】
名称を見て、お気づきの方もいらっしゃると思いますが、国外の企業を対象としてファクタリングを行うのが、国際ファクタリングと呼ばれるものです。
依頼者は、国内のファクタリング会社を通じて、海外のファクタリング会社経由で、取引き先企業とのファクタリングを行います。
つまり、4社間でのファクタリングということになりますが、基本的には3者間ファクタリングと同じシステムとお考え下さい。与信情報や請求書の送付、あるいは売掛代金の回収と入金確認及び支払い催促など、売掛金に関する請求業務はすべてファクタリング会社が行います。
海外の会社との取引きを行っているのであれば、国際ファクタリングは資金調達の有効な手段となります。ただし、現在国際ファクタリングが可能なのは、銀行系のファクタリング会社となります。
【保証ファクタリング】
厳密に言えば、売掛債権の売買ではありませんが、銀行系のファクタリング会社が、こうした保証ファクタリングを提供しています。
簡単に言えば、売掛債権を補償する保険制度といえば、かなり分かりやすいのではないでしょうか。
利用者は、ファクタリング会社に保証料を支払い、売掛金の保証を行ってもらうものです。例えば、昨今のコロナウイルスの影響で、コロナ倒産が増えています。問題なのは、こうしたコロナ倒産が赤字倒産だけではなく、連鎖倒産に追い込まれていることにあります。
決済は黒字でも、売掛金が回収できなければ、倒産の危機に瀕してしまうことは、だれの目にも明らかでしょう。こうしたリスクを回避するため、保証ファクタリングば活用されています。与信審査や信用調査を、アウトソーシングできるメリットがあり、こうした危機回避を早めることができます。
確かに、一般的なファクタリングのイメージとは、かなり違っているわね。
そうだね。こうした特殊なファクタリングは、銀行系列のファクタリング会社が行っていることが多いんだ。
それはなぜ ?
銀行は資金豊富だし、独自の与信機関や、信用調査の伝手があるからね。
言われてみればそうね。
だから、銀行から見ると、規模の小さなファクタリング会社だと太刀打ちできないんだ。
ということは、こうしたファクタリングの対象は、大きな会社に限るってこと ?
そういうことになるね。
業者によっても異なるファクタリングのタイプ
業者によって、ファクタリングに違いがあると聞けば、意外に思われる方も多いかと思います。例えば、取り扱うファクタリングサービスや手数料や審査の面でも、業者ごとに異なってくるのが一般的といえば、かなり理解度が増すのではないでしょうか。
ファクタリング業者には、大きく分けて四つのタイプが存在しています。これらをタイプ別にみて、その特徴や利用しやすさを学んでおくと、ファクタリングのことがかなり分かりやすくなります。
中小規模のノンバンク系ファクタリング会社
一番多いファクタリング会社が、こちらのタイプ。資本力は低めですが、柔軟な対応が魅力です。
特徴としては、審査があまり厳しくなく、柔軟で迅速な対応が期待できます。デメリットとしては、資金調達額がやや低めであることが多く、手数料も高めに設定されていることが多いようです。
上場している規模の大きなノンバンク系ファクタリング会社
ノンバンク系でも、資本力が高く、それに比例して資金力を持っているのが特徴です。審査難易度もやや低めで、ある程度高額の資金調達を可能としています。
ただし、2者間ファクタリングにおいては、どうしても高めの手数料は否めません。
銀行系ファクタリング会社
銀行系のファクタリング会社は、銀行融資と同様に審査も厳し目です。
ただしメリットは大きく、高額の資金調達も可能なほか、手数料も全体的に低いのが特徴です。
業種特化系ファクタリング会社
建築業界や医療業界などに、特化しているのがこのタイプ。専門的な知識やノウハウを持ち、柔軟な対応が期待できます。審査の難易度は低めで、高額の現金化も可能としているのが特徴です。ただし手数料は、ファクタリング会社によって異なってきます。
へええ、業者によってこんなに違うんだ。
そうだよ。ファクタリング業者によって、それぞれに強みを持っているからね。
なるほど、利用者の方も、下調べが必要でわけね。
そういうことになるね。場合によっては、その場で断られることもあるから。
分かりやすい解説、有難うございました、先輩。
まとめ
いかがでしたか ? ファクタリングの種類の多さに、以外に驚かれた方もいらっしゃると思いますが、基本的には売掛債権の譲渡・売却がファクタリングの本質です。
最近は、新型コロナウイルスの影響で、経営に危機感を覚える経営者も多いかと存じます。融資とは異なり、ファクタリングは資産の売却にあたりますので、帳簿上も黒字の計上で済みます。
上手な資金調達とは、資金調達の選択肢をいくつも持っていることにあります。ファクタリングを上手く使いこなすことにより、経営の安定化を図るのも経営者の手腕にかかります。
以上、ファクタリングを種類別にわかりやすく徹底解説
…でした。
\ メリット盛り沢山 /