この記事でわかるポイント
- 起業して会社を作るために必要なもの
- 会社を立ちあげる時のポイント
- 会社立ち上げの事前準備対策
起業を目指す人にとってその理由は実に様々ですが、常に共通しているのは「成功者になりたい」ということではないでしょうか。そうした方は、社会経験を経て起業の道を目指しますが、一昔前までは「脱サラ」とも呼ばれサラリーマンたちのあこがれとされてきました。
しかし、何事にも計画性は大切であり、あらかじめ準備しておくことが少しでも成功者の道につながることを理解しておかなければなりません。
今の若い人たちって、独立志望の人が多いように感じるわね。
よく若い世代は欲が少ないともいわれるけど、やりたいことをうまくつむげないでいるんじゃないかな。
確かに今の世の中、多様化っていうのかな、選択肢が多いのは確かね。
以前と比べて職種も増えてきているし、どの業種に就職するかも悩むよね。
今の社会は自由化も進んでいるから、独立も比較的楽なんじゃない ?
そうだね。事業者が増えれば、その分需要や供給が増えるということだから社会が活気づくのは間違いのない事実だ。そこで今回は、起業を目指す人たちの為に起業前にやっておきたい対策について説明してみたいと思う。
なるほど。それは楽しみね。よろしくお願いします ! 先輩。
起業する意味とその意義
自ら会社の陣頭指揮を執り、やりたかった仕事を自ら考え、それを実行していく充実感は、経営者ならではの特権なのではないでしょうか。自ら事業を起こすという意味は、自らが責任を持って会社を立ち上げ、事業を運営していくということになります。
同時に負債を抱え一定の従業員を養っていく、という覚悟も必要になってきます。確かに、上司から指図や支持を受けず、自らの考えで会社を経営していく事は経営者ならではのものです。しかし、様々な恩恵を受けると同時にマイナス面もありますので、それらを受けとめていく覚悟も必要となります。
まずは、起業する意味とその意義を踏まえて、メリットとデメリットがどのようなものであるのか整理しておきましょう。
経営者とか起業家とか魅力的だけど、やっぱりデメリットもあるのよね。
世の中にはメリットもあればデメリットもあるさ。でも、デメリットを気にしていたら何事にも進歩はないよ。
それはそうなんだけど。
まずは冷静に起業についてメリットを見ていこう。
様々な銀行融資の形
一般的なの方でもご存じのように、銀行融資は審査が非常に厳しいと言われていますが、逆に言えばそれだけメリットが大きいということが言えます。銀行融資のメリットは次の通りです。
- ノンバンクなどの金融機関に比べて金利が非常に安い
- プロパー融資の場合、借り入れ限度額が設定されない
- 何度も融資を受けることも実績として評価され、企業としての信用度が認められやすい。
企業からの見地として、評価が高くなることは、かなり魅力的なポイントともなります。もちろん、法人のみならず、個人事業主も同様で、信用の積み重ねにより、更なる融資の実現が可能となるわけです。また、銀行の融資には、様々なタイプの融資方法が存在します。
企業にとって信用力アップはかなりの強みね。
そうだね。次は銀行融資の種類を見ていこう。
起業するメリット
自分のカラーで事業展開ができる
起業すれば、自らが経営者となり、すべて自分の裁量で事業を行うことができます。当然ですが、サラリーマンとは異なり、就業時間や休日に縛られず、自由な働き方が可能です。特に、人間関係で悩まされてきた方にとっては、上下関係や同僚たちの相性にも振り回される事なく、自分の好きな場所で働けるのも大きな安心感となります。
取引先関係など、一部の縛りはありますが、自らが直接対峙せず、取引先に合わせたスタッフを配置する事により、解決できるでしょう。性格の合わない仲間とチームを組むこともなく、フラストレーションを抱えなくて済むのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、企業に勤めていれば、必ず定年制度を受け入れなければなりませんが、経営者には定年がないことも大きなメリットです。さらに経営者ともなれば、普通にサラリーマンとして働くよりも、より大きなリターンの可能性があり、経営者であれば報酬に上限がありません。
確かに社長ってかなりのステータスよね。
ハハハ、大なり小なり会社社長といえば確かに聞こえはいいよね。
経営者としてのメリットは大きいんだけど、逆にデメリットもあるからそこをよく見ておこうか。
起業するデメリット
軌道に乗るまで不安定
事業を起こして、すぐに結果を残す方もいらっしゃいますが、残念ながらそれはごく少数です。特に起業開始期間は、しばらく収入のない期間が続ことも予想されますので、やみくもに起業するのも考えものです。また、人間関係の負担は減りますが同等の仲間は存在せず、すべてが自己責任となりますので経営者としての責任や行動が会社の事業の成功を左右することになります。
やっぱり責任感は重たいよね。
経営者だからね。会社勤めだったら自分とか家族だとか守るものは少ないけど、経営者になれば会社のすべてに責任を持つということになるからね。
うーん、やっぱり重責。
でも成功すれば、それなりのメリットが大きいんだ。
だよね。でも、いざ会社を立ち上げるともなれば手続きがかなり難しそう !
そこで今回の本題。起業前にやっておくべき行動について、いくつかのポイントを挙げてみよう。
起業する前にやっておくべき行動
起業を考える方のほとんどはいずれかの会社に勤め、就業継続中の方が大部分なのではないでしょうか。昔のことわざに「立つ鳥跡を濁さず」と申しますが、これからの付き合いも含めて、変に角を立てずにすべて事を済ませておくのは非常に大切なことです。そこで、起業する前にやっておくべき行動として、いくつかのポイントを前もってチェックしておくことが重要となってきます。
開業を視野に入れてやっておきたいいくつかのポイント
事業について勉強する
当然の事ですが経営者となる限りは「ビジネスのプロ」としてみられます。経験のある業種であっても知らないことはたくさん。ビジネスに後れを取らない為にも、予習は必須といえます。
事業の概要をまとめる
まずは、個人事業主か法人企業の会社を設立するか決めておかなければなりません。個人事業主であれば屋号、法人であれば商号を決めておく必要があります。また、実際に事業を行う場所、必要な手続きは何なのかを把握しておきましょう。
ビジネスプランを練る
どのような取り組みにより、ターゲットに対して、どのように商品を提供するかがビジネスプランです。提供する商品やサービスの価格設定だけではなく、販売の方法や広告宣伝などは必要で、どのくらいの売り上げが必要なのか、またどのような人材が必要なのかを具体的にまとめます。
経営理念を確立する
経営理念とは事業を行う上で土台となるものです。事業計画書の中でも重要視されますので、社会にどのように貢献し顧客に対してどのように利益をもたらしていくのかを理念として確立しておく必要があります。
必要な資格や許認可を得る
事業によっては、資格が必要な場合や、自治体などに許認可を得なければならない場合もあります。当然ですが、これらに違反すれば、無免許営業となりますので、営業停止などの処罰の対象となることは言うまでもありません。したがって、事前に届け出 / 許可 / 認可が必要になる業種を確認しておきましょう。
家族の理解を得る
事業にはあまり関係ないように思われますが、実は円滑な事業を成功させる為には、家族の理解は非常に重要な案件となります。事業にのめりこんでしまい、そのまま離婚に発展してしまうというケースも珍しくありません。また、勝手に会社を辞めてしまい離婚届を突き付けられる事もあるからです。ですので、事業だけではなく人生においても家族に深く理解してもらう必要があるのです。
退職準備&退職
立つ鳥跡を濁さずと云いますが、人間関係は退社後も継続されることが多いようです。将来の取引先が、元勤めていた会社といったこともあり得ますので、きちんとした形で円満退社できるように進めていきましょう。
資金計画を立てる
サラリーマン時代であれば家庭に給料を振り込むだけで完了でしたが、事業を行う上ではそう簡単な事ではありません。なぜなら、事業がすぐに軌道に乗るとは限らず、順調に行ったとしても売り上げが数カ月先に引き延ばしとなるからです。
したがって、自身の生活費や固定費も含め、月平均の額の2割増し程度の額を1年分ほど準備しておくと不安が少なくなります。さらに言えば、事業を継続するにあたり、事務所や店舗などを維持する為の、固定費がかかることを念頭に置いて、事前に確保しておく必要があります。
開業資金を計算する
起業するにあたり最も重要なものが運転資金を含めた開業資金となります。会社を立ち上げる際、事業の規模にもよりますが、事務所や店舗だけでなく機械や備品なども必要です。また、個人事業主であればさほど資金を必要としませんが、法人であれば資本金は1円でも設立可能ですが登記費用などの設立費用で最低でも25万円は必要となります。
個人事業主か会社設立するかの判断
確かに会社を設立する際には設立費用がかかりますが、起業後の所得にかかる税金という視点で長い目で見れば会社設立の方が有利といった見方もできます。
個人事業主のメリット
- 日々の経理が楽。
- 決算及び申告の作業スケジュールが穏やか。
法人企業として会社設立のメリット
- 税金が安い。
- 赤字繰り越しを行う際、個人の場合は3年間だが会社の場合は9年間繰り越し可能
- 法人契約で従業員を被保険者、受取人を法人にすれば、その保険料を法人の経費にすることが可能である。
事業の運営ルール作り
会社を設立する場合は、事業継続の為のルール作りを作っておかなければなりません。例を挙げると以下のようなことが挙げられます。
- 就業時間
- 営業時間&定休日
- 経理日(請求の締日と支払日)
- 請求の支払方法
- 給与の支払方法
- 各業務のマニュアル作成
市場を分析する
事業を成功させる秘けつは経営者の一方的な希望ではなく、あくまでも市場が何を求めているかにあります。その為、どのターゲットに向けた商品なのか市場規模はどれくらいなのかなど、多角的にその取り巻く環境分析は、起業前にぜひ行っておきたい案件です。
独立起業した動機を説明できるようにする
起業を模索する際には、取引先及びパートナーまたは融資先の金融機関などに事業を起こした理由を説明する場面があります。その為、取引や融資を成功させる為にも熱意をもった納得できる説明が功を奏すというわけです。
事業計画書の作成
事業計画書は、企業の際の融資や出資を受ける際に必要で事業を行う上でも役員や社員たちの指針となるものです。事業のタイプによって内容が多少異なってきますが、必ず自らの手で作成しておく必要があります。
税務署へ届け出
個人事業主の場合は、管轄する税務署への開業届出書を提出しなければなりません。また、青色事業承認申請書を提出する必要があります。会社設立に際して、開業時に税務署に申請する届出一覧は、税務署の公式ホームページにも書かれていますので、これを参考にするとよいでしょう。
ホームページ / 名刺 / パンフレット作成
これらは、開業後でも作成可能ですが、できれば早めに作ってをことにより、スムーズなビジネス展開ができます。ホームページの作成は、HTML / CSS / WordPressなどで作成可能です。無料のホームページツールもありますが、一部の制限や広告が表示されるなど、マイナス面もありますので、できれば有料の制作ツールを利用することをお勧めします。
以上の通り、事業を起こす前には、様々な前準備が必要となります。一人ですべてをこなすのは、無理があると思われる方なら、会社設立に強い税理士並びに、商工会などを利用することをお勧めします。また、個人事業主の場合は、手続きは比較的簡単ですので無料の開業サービスサポートなどを利用するとよいでしょう。
一つ一つがどれも重要なポイントね。
「簡単に起業できる」と考える人たちには、ぜひ見てもらいたい項目だね。
どれ一つをとっても、かけてはならない要素なのね。
そういうことになるね。それから、同時に事業資金を確保しておくことも始めておかなければならないからね。
うは、大変大変 !
その為、まずは資金調達の方法にどのような手段があるのかを確認しておこう。
事業資金を調達する方法の確立
事業を行うに当たり、最も比重の高いのが、事業資金を調達するということです。とにもかくにも、お金がなければ何もできませんので、資金を調達する手段を一刻も早く、確立しておく必要があるのです。事業資金を調達する方法には、次の手段が考えられます。
自己資金で賄う
理想の資金調達方法ですが、よほどの貯蓄がない限り難しい手段です。
親族や友人から借りる
借用書や返済問題で、トラブルが生じやすいこともあり、あまりお勧めのできない手段です。
銀行からの融資を受ける
銀行融資は金利がかなり安いというメリットがある半面、審査が非常に厳しく、融資までの期間が長いというデメリットがあります。
創業融資制度を利用する
日本政策金融公庫では新創業融資制度があり、新規事業者や事業開始して間もない利用者に無担保/保証人不要で資金調達可能な融資制度を実施しています。
ノンバンクからの借り入れを行う
銀行以外の金融機関などから、借り入れを行う方法です。銀行融資などと比べると短期間での借り入れが可能ですが、利息が高いといったデメリットがあります。
補助金及び助成金制度を利用する
国の機関及び、自治体などの補助金制度や助成金制度を受けるものです。基本的には返済不要といったメリットがありますが、条件は比較的厳しく、審査期間や資金を得るまでの期間も長くなりやすいデメリットがあります。
クラウドファンディングを利用する
インターネットを通じて利用者のアイデアに対して第3者が出資を行うもので、比較的新しい資金調達の手段です。
資金の出資を募る
出資者は企業の株式を保有する株主となりますが、50%以上の株式を保有する事で経営権を握られるといったデメリットがあります。
ほかにも、資金調達の手段はありますが、一般的に行われるのがこれらの事業資金入手方法です。リスクが一番低いのは自己資金ですべてを賄うという手段ですが、規模が大きくなればかなり難しい方法と言えるでしょう。
この中で、特におすすめしたい資金調達方法は、日本政策金融公庫で行われている、新創業融資制度を利用するという方法です。個人事業主にも対応していますので、まずはこちらを視野に入れておくとよいでしょう。
重複するんだけど、なぜ新創業融資制度を利用するのが一番のお勧めなの ?
まず国の政策として融資を行っている手前、銀行の融資よりも金利が安いんだよ。
利息が安いという事よね。毎月の支払いを抑えられれば、それだけ事業が楽に行えるという事よね。
そうだね。そして、ほとんどの業種や職種に対応しているし、担保や保証人が居なくても借り入れ可能なのはかなりの魅力だね。
なるほど。お勧めするだけあるわね。
個人事業主にも対応しているから、新規事業を始める人には一番にお勧めしたい資金調達の手段だね。
詳しく解説いただいて、有り難うございます !
まとめ
自ら先導に立ち、経営者の道を目指すのは、大きなメリットがある半面、デメリットもあることがわかりました。成功すれば、それだけ利益につながるとあって、険しくとも起業してみたいと願うのは当然のことです。また、起業前に、やっておきたい対策をしっかりと行っておかなければ、スムーズな事業もスタートできず、かえって費用や時間がかかってしまいます。
以上、起業前にやっておきたい対策まとめ【決定版】…でした。
\ メリット盛り沢山 /