この記事でわかるポイント
- 急場しのぎの資金調達方法がわかる
- 支払いができなくなっても対策はある
- 色々な制度を利用していくのがベスト
治療法の確立と、特効薬そしてワクチンの開発が、急務となっている新型コロナウイルス問題ですが、世界の経済にも深刻な影響を与えています。経済危機と聞くと、最近では日本でも空白の20年とも呼ばれ、バブル崩壊後からリーマンショックを受け、経済の低迷危機を迎えました。現在は、当時以上の経済ダメージともされ、国内での企業は生き残りをかけた資金調達方法を模索しています。
今回の新型ウイルスの影響は、どこもかしこも大変ね。
未知のウイルスだから、どうしても対策が後手に回ってしまうんだ。
これ以上、ひどくならなきゃいいのだけど。
特効薬と、ワクチンの開発が急がれるね。
自宅勤務をやってるんだけど、光熱費がずいぶんと上がっちゃったわ。
政府の対策は、まだまだ十分とは言えないんだけど、利用できる制度はどんどん活用していった方がいいね。
あまり、制度のことを知らないんだけど。
一般の人でも、ほとんど知られていない救済措置もあるから、今回はコロナウイルス関連の様々な救済制度について解説していこう。
助かります ! よろしくお願いします、先輩。
まずは、コロナウイルスと経済の影響を解説してみよう。
目次
新型コロナウイルスと経済危機
これまでわが国には、様々な経済危機が訪れてきました。近代では世界的規模でのオイルショックや世界的金融危機、国内では近年まれにみる大災害、東日本大震災などが起こりました。
しかし、今回のコロナ危機では、これまでの危機とは一線を画す異様さがあります。一般論では、不況に対する政策として、財政や金融政策で需要を刺激するといったパターンが、教科書的に行われてきました。
しかし、新型コロナウイルスの影響は、先進国や後進国をかまわず飲み込み、世界的な規模でそのまん延が危ぐされています。というのも、コロナ感染がある意味平等に広がってきている為、生産から物流・卸しから販売消費まで、すべての業界に影響を与えていることです。
ある種、特異的な難問ですが、画期的な治療法やワクチンが開発されていない現在、経済活動を再開するとしても、その需要拡大策自体が感染の助長を、促しかねないといった危機感があります。日本国内では、新たな生活様式をうたい文句に3密を回避し、感染を広げない努力を行ってきました。
いまだ、新型コロナウイルスの全貌は明らかになっていませんが、4月から本格的に開始されたコロナ対策は、世界的にみれば成功例の一つとされています。何よりも、これまでの金融危機などでは、株価の大きな下落などがみられましたが、現状では大きな動きはありません。
それというのも、日本政府の政策も含めて、金融緩和や主要国の緊急経済対策が、システミックリスクの回避や不確実性を低減し、投資家のパニックを回避する上で、非常に有効だった可能性を示唆するものと考えられています。
システミックリスクとは、特定の企業や金融機関において、支払い不能や特定の市場あるいは、決済システムが機能しなくなる可能性があります。
そこで、そうした影響が、他の企業や金融機関ばかりでなく、市場と決済システムに波及し、金融システム全体に悪影響を及ぼすリスクのことを意味するものです。こうした対策に、いち早く対処した国々は、現状では何とか破滅的な回避に、功を奏する形となっています。短期的な意味では、政府のコロナ対策は、ギリギリのところで及第点といったところですが、中長期的にみれば様々な難問が山積しているようです。
というのも、日本のIT分野には、不備や普及が意外に浸透していなかったことが暴露されたからです。そうしたことからかんがみても、今後の課題として、デジタル技術の更なる活用及び、デスクワークを含む企業間における業務改善と、合理的な社会ルールの必要性が求められています。
また、政府の政策においては、非効率な政府規制の見直しや、生産性向上余地の具体化を考えていかなければなりません。その為にも、企業の経営者としては、生き残りをかけた、効率の良い資金調達方法を実行していく必要があるでしょう。
金融危機と違って、貸す側はまだまだ余裕があるってこと ?
コロナ終息が、いつになるかによって変わってくるけど、まだまだ救済措置が万全だとは言えないんだ。
だよね。でも、借り入れがしやすくなったことは、いいことだよね。
それについては、コロナ関連融資と、一般的な融資との違いを比べることで、もっと理解しやすくなるよ。
一般融資とコロナ関連融資との相違点
新型コロナウイルスによる影響で、半ば強制的な自粛から、段階的な緩和へと移行されました。しかし、この間の打撃的な経済の停滞により、多くの企業が資金調達に苦慮しているようです。本年度の倒産件数は、すでに200件を超え、今世紀最大の経済危機ともいわれた、リーマンショック時を超える勢いとされています。
ただし、今回の経済的な危機は、経済的な破たんなどを起因していないところが少し違っています。異なっている点は、リーマンショック時とは異なり、同じ経済危機ですが、金融危機には至っていないということです。
つまり、銀行を始めとする金融機関にはお金があり、企業に対して貸し付けを行う体力が、いまだ健在という点では喜ばしいことです。
政府は、この新型ウイルス問題に対して、全国に緊急事態宣言を公布すると同時に、緊急コロナ対策としてコロナ特別措置を盛り込みました。具体的には、生活における感染症予防対策、交通や海外渡航制限などのほか、経済的支援をいくつか打ち出しました。
この中で、企業の経済的支援にあたるものが、特別給付金などを含む中小企業向けの補助金や支援、また新型コロナウイルス関連での特別融資ということになります。特別給付金や補助金などは、一時的なものですが、特別融資は低金利での借り入れが可能ということで、自治体への申し込みが殺到しているのが現状です。
では、コロナ関連の特別融資、一般的な融資とはどこが異なっているのでしょう。こちらでは、コロナ関連融資と一般融資との違いを、簡単に比較しておきます。
一般的な融資の特徴
【業種によって融資が受けにくい】
小規模事業者など、現金商売が主体の事業は、資金余剰が不要とみなされる場合が多い。
【返済期間が短く利息が高め】
売り上げにかかわらず、月々の高額返済は負担になりやすい。
【経営状況により融資が受けにくい】
決算書など、財務状況の赤字経営などは審査が通りにくい。
【担保や保証人が必要】
経営状況によっては、担保や保証人が必要となります。
コロナ関連融資の特徴
【返済期間が長期または、数年間の据え置きなどの救済措置がある】
【無担保及び、無利子での融資が可能】
簡単な説明ではありますが、コロナ関連融資には、借り入れに際しての優遇措置が取られていることが、よくお分かりいただけたでしょう。日本政策金融公庫や商工組合中央金庫などが、主な取扱先となりますが、ご相談や申し込みについては、各自治体などの専用窓口などでご確認ください。
コロナ関連融資を見ると、かなり有利な気がするけど。
融資に関しては、かなり分かりやすいのが特徴だね。
大会社も倒産しちゃったし、今の時期は資金繰りをどうするかがカギなのかもね。
実は、それだけじゃないんだ。
ほかにも、懸念がある訳ね。
次の項で、見方を変えた事業の考え方を述べておくよ。
事業継承でピンチをチャンスに
こんな時期に、事業継承と聞いても、あまりピンとこない経営者も多いのではないでしょうか。事業継承とは、後継者に対して、経営などの事業に関するすべてを、引き継いでもらうということにほかなりません。
ではなぜ、この時期に事業継承を行う必要があるのでしょう。それは、日本の後継者育成も含め、事業継承がスムーズに進まない状況があったからです。現在よりも少し前、景気の良い頃には、日経平均株価が高い推移だったこともあり、上場会社の株価が高いあるいは、自社の利益が高いといった理由で、株価の高騰がみられました。
このことから、物的承継や相続税 / 贈与税なども高くなってしまい、継承がなかなか進まなくなってしまっていたのです。
現在の経済状況は、コロナウイルス対策も万全とはいえず、今後の拡大ペースや休息期間もやや不透明といえます。また、コロナ対策も含め、経済の立て直しも各国様々で、日本国内といえば、拡大の状況を見ながら、徐々に経済の再開を促している最中です。
ただし、この状況が、一概に最悪ともいえないのです。先ほども述べた通り、こんな時こそ行えるのが、事業継承も含めた企業の立て直しと言えるでしょう。現在のコロナショックとも呼ばれる経済の停滞ですが、今後も不景気が進むと推測され、株価も下がることから、事業継承も進めやすくなる下地ができつつあります。事業継承を望む企業にとって、このような時こそ、一気に継承を推し進めていくのも、事業的戦略の一つです。
事業継承に関しては、専門家である税理士などが行う、コンサルティング会社などがお勧めです。現在、こうした多くのコンサルティング会社では、コロナ色の影響などで、困窮する中小企業者や小規模事業者の応援プロジェクトを立ち上げています。
プロジェクトの内容は、新型コロナウイルス関連の特別融資、あるいは助成金の相談から事業継承まで、幅広く対応しているのがその特徴です。特に、緊急事態宣言後、多くの企業が倒産に追い込まれており、大手縫製メーカーのレナウンの倒産など、その影響は中小企業及び小規模事業者のみならず、様々な業種にその影響が広がっています。
特に懸念材料として、業種や地域による支援格差が生まれ、多数の人が集まる施設を中心に、営業停止や休業 /廃業に追い込まれている企業が後を絶ちません。こんな時こそ、様々な制度や融資を利用することは、経営者にとって必須条件と言えるでしょう。
この時期に、事業継承なんて綱渡りなんじゃない ?
後継者がいない企業ならそうなんだけど、後継者がいるのなら、今が転換期と捉えるのが、良い方向に進む可能性も否定できないよ。
確かにそうなのかも。
話を元に戻すけど、現在のこの困難な状況を、いかにして打破していくかを考えておかなきゃならないんだ。
そこで、個人支援にも対応している、緊急措置を参考にして欲しい。
収入減により支払いが困難な時こそ緊急措置の利用
この時期、新型コロナウイルスの影響を、全く受けていないといった事業者は、皆無と言ってよいでしょう。国内の企業は、政府の対策や対応だけに慢心せず、自らが率先してこの困難を乗り越えていく必要があります。
しかし、残念ながら、体力のない中小企業や小規模事業者は、明日を生き抜くのに必死というのが現状でしょう。現実問題として、僅かばかりの特別定額給付金や支援金があったとしても、毎月の光熱費や家賃及び、人件費や保険料などの固定費は、必ず支払わなければならないからです。
だからこそ、新型コロナウイルス感染症の影響に対して、様々な特別措置が行われていることを知っておいて欲しいのです。中には、制度の存在そのものを知らずに、廃業を決意してしまったといった事業者も少なくありません。
その為にも、現在の状況を乗り切る決意と共に、どのような制度があるのかを知っておかなければなりません。では、どのような緊急措置があるのか、特に支払い面や納税に関する緊急対策をご覧いただきましょう。
【1年間の納税猶予措置】
確定申告や納税を引き延ばすことは可能ですが、どうしても支払いが難しい場合、1年間の納税猶予措置が可能です。条件としては、納税により事業の継続や生活維持が困難になる場合、納税の意思が認められること、国税以外の税金を滞納していないことなどが挙げられます。
ただし、納税期限から6カ月以内に、申請書を提出する必要があります。また、固定資産税や住民税に関しても、同様の措置が行われています。
【保険料の支払い免除】
コロナの影響により、保険料の支払いが難しい場合、減免制度の対象になる事があります。国民健康保険や、後期高齢者医療保険料なども対象で、対象期間の全額免除や減免が行われます。
・生計維持者新型コロナウイルス感染により、死亡あるいは重症の場合。
・新型コロナウイルスの影響により、減収が見込まれる場合。
・前年度よりも、収入が7割以下に落ち込む可能性がある場合。
・合計所得金額が1000万円以下である場合。
【住宅ローンの返済についての猶予】
借入先により対応は異なりますが、現在どの金融機関も柔軟な支援に取り組んでいますので、返済期日の猶予や返済額の軽減に、応じてもらえる可能性があります。
【公共料金の支払い猶予】
現在、引き続き自粛を余儀なくされているご家庭も多く、お子さんの登校自粛や親御さんの在宅勤務などにより、光熱費の高騰が懸念されています。自治体によって対応は異なりますが、数カ月間の猶予が可能となっています。
なお、新型コロナウイルスに関する各種支援は、世帯主や個人に関する案件から、中小企業やフリーランスも含む個人事業主まで、実に様々な支援対策が行われています。こうした各支援対策ですが、それぞれに窓口が異なることもあり、詳しくは新型コロナウイルス感染症対策の公式ホームページで詳細などをご確認ください。
支払いに関する案件ね。
窮地の対応策として、知っておくと安心だね。
そうね。慌てて支払いに追われなくて助かるわ。
では次に、事業者向けの支援策を含めて、どのような緊急措置があるのかを見ておこう。
事業者向け緊急措置の利用
前項では、個人及び事業者を対象とした、支払いの猶予を紹介しましたが、中小企業や小規模事業者及び、個人事業者向けを対象とした、様々な救済対策が行われていますのでこちらをご参照ください。
【持続化給付金】
売り上げが半分以下になり、事業の継続に苦慮している事業者
・中堅/中小/小規模事業者 → 最大200万円・フリーランス含む個人事業主 → 最大100万円
【家賃支援給付金】
コロナの影響で、一定の売り上げ減少要件を満たし、家賃の支払いが苦しい事業者
・中小企業事業者最大 → 600万円個人事業者など → 最大300万円 助成金事業再開に向けた投資
【持続化補助金】
・小規模事業者 → 最大150万円・ナイトクラブ及びライブハウス → 最大200万円
【貸し付け】
売り上げ減による資金繰り
・3年間無利子で、最長5年間の元本据置が設けられており、日本政策金融公庫等に加え、地方銀行/信金/信組等でも利用可能です。猶予及び減免措置
【国税及び地方税社会保険料の納付猶予】
・売上が一定程度減少の場合、1年間無担保かつ延滞税なしで猶予できます。
【固定資産税及び都市計画税の減免】
・売上が一定程度減少の場合,来年度分は半分又はゼロに減免されます。
なお、制度の具体的な内容や条件については、公式ホームページで詳細をご覧ください。また、ほかにも様々な業種に関して支援対策があり、現在検討中のものもあり、さらに新規に加わる制度も可能性としてありますので、逐次情報を取得していく必要があります。
中小企業や小規模事業者向けというのも、かなり好感が持てるわね。
切羽つまっているのは、そうした事業者がほとんどだからね。
確かに、ニュースで話題になるけど、これまでの生活に戻るのはかなり大変そう。
新しい生活様式じゃないけれど、事業のやり方も確実に変わってくると思うよ。
日本じゃ狭いから、3密とかかなり難しい制約よね。
そのための対策を、考えていく必要があるね。
なるほど、今日は大変身につまされました。
知らなきゃ損することも多いから、最新情報は常に取り入れておく必要があるね。
勉強になります ! 有り難うございました先輩。
まとめ
現在、新型コロナウイルスの影響で、財務状況がひっ迫しているといった企業が増えてきます。特に、体力のない中小企業や個人事業主などは、ダメージの影響を直接受けてしまいます。事業を継続させていく為には、こうした支援は欠かせないものとなりますが、知らずに損をするといったケースが無いよう、常に最新の情報を集めておきましょう。
以上、コロナ関連融資と救済対策の活用法
…でした。
\ メリット盛り沢山 /